>由斯後智二分倶有。此二見道與六現觀相攝云何。
(斯に由って後智には二分倶に有り。此の二の見道と六現観と相攝すること云何。)
>六現觀者。一思現觀謂最上品喜受相應思所成慧。
(六現観とは、一には思現観、謂く、最上品の喜受と相應する思所成の慧ぞ)
>此能觀察諸法共相引生煖等。
(此いい能く諸法の共相を観察して煖等を引生す。)
>加行道中觀察諸法。此用最猛偏立現觀煖等不能廣分別法又未證理故非現觀。
(加行道中にして諸法を観察するに、此が用最も猛し偏に現観と立つ。煖等は、廣く分別すること能わず、又理を証せず、故に現観に非ず。)
>二信現觀。謂縁三寶世出世間決定淨信。
(二には、信現観、謂く三宝を縁ずる世・出世間の決定の淨信ぞ。)
>此助現觀令不退轉立現觀名。
(此いい現観を助けて退転せざら令しむれば、現観という名を立つ。)
>三戒現觀謂無漏戒除破戒垢令觀増明亦名現觀。
(三には、戒現観、謂く無漏戒ぞ、破戒垢を除いて、観をして増明になら令むれば、亦現観と名く。)
>四現觀智諦現觀。謂一切種縁非安立根本後得無分別智。
(四には、現觀智諦現觀、謂く一切種の非安立を縁ずる、根本と後得との無分別智ぞ。)
>五現觀邊智諦現觀。謂現觀智諦現觀後諸縁安立世出世智。
(五には、現観邊智諦現觀、謂く現観智諦現観の後に、諸の、安立を縁ずる世・出世の智ぞ。)
>六究竟現觀。謂盡智等究竟位智。此眞見道攝彼第四現觀少分。
(六には、究竟現観、謂く、盡智等究竟位の智ぞ。此の真見道には、彼の第四現観との少分を攝む。)
>此相見道攝彼第四第五少分。
(此の相見道には、彼の第四第五の少分を攝む。)
>彼第二三雖此倶起而非自性故不相攝。
(彼の第二と三とは、此れ倶起と雖、而も自性非ざる故に相攝せず。)
>菩薩得此二見道時生如來家。住極喜地。善達法界得諸平等。常生諸佛大集會中
(菩薩此の二の見道得しつる時には、如來家に生じ、極喜地に住し、善く法界を達し諸の平等を得し、常に諸佛の大集会の中に生まれ、)
>於多百門已得自在。自知不久證大菩提。能盡未來利樂一切
(多くの百門に於いて已に自在を得しつ、自ら久しからずして大菩提を証し、能く未來を盡して一切を利楽すべしということを知んぬ。)