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楽しいってなんだろう?20回「日本語教室を考える」

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20回目
 「やさしい日本語」という岩波新書があります。著者の庵功さんがコンテンツの責任者になって居る朝日新聞の特集記事がありました。改めて全国の日本語話者に呼び掛ける内容でした。 
阪神淡路大震災以来、「やさしい日本語」は各方面で研究されてきています。地域日本語教育では取り上げる方が多くいなってきました。外国の方に、やさしい日本語で教え、やさしい日本語を身に着けて日本語でのコミュニケーションを自在に行うことができるようにとの発想があります。英語学習でも980語で英会話、というキャッチフレーズの下で、米シック英語という教授法が存在します。これと同じに考えている方も多いのではないかと思います。基礎日本語、サバイバル日本語という言葉と実践があるのも同様だと思います。
行政府の担当者が、多言語化の限界を感じながら、やさしい日本語での外国籍の市民への対応を迫られていますが、こちらも遅々として進んでいない現状だとの報告をよく聞きます。近隣の市町村での多言語化は多いところで、9言語対応です。少ないところでは中国語・韓国語・英語の3か国語というところがいまだに多いでしょう。県西地域ではポルトガル語、フィリピノ語対応を加えているところもあります。それでも5か国語対応です。参考数値として、ボランティア活動のネットワークでは約20か国語の対応が可能です。こうした可能域を広げる活動に目を向ける必要があると思います。皆さんはいかがでしょうか。
言語の日本語の乱れや意味の劣化は繰り返し話題にはなるが、自然現象でもあり政治家やある社会集団の意図的な改変も見られます。そこで、庵さんが注意しているのは、日本語の「共通語」化についての指摘です。やさしい日本語への取り組みが進んでいる自治体もあります。ルビを打つなどの工夫が広報紙などでも散見されるようになりました。保育所、幼稚園、学校や自治体の広報紙や発酵文書のやさしい日本語化は遅々として進んでいない現状化と思います。
背景には、「共通語」化の課題への取り組みと、言語権の保障を移民政策から取り組むという根本的な課題を問うことなしには難しいというのが現状分析ではないでしょうか。国連の人権理事会の勧告にも耳を傾ける必要があると思います。ボランティアでの地域日本語教育では実質的にその壁を越えようとの努力が今日も続いています。その場で楽しめる話題やパフォーマンスという意味での「楽しさ」ではなく、心から「楽しめる」対話ができる日を待ち望んでいるのが、私達ボランティアや生活者としての外国人の現状ではないでしょうか。
皆さんの地域ではいかがですか。

刀手帳
作成: 2023/07/30 (日) 05:38:51
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