皆さんはどのような形態で、在留する「生活者としての」外国の方と日本語を学習していますか。
今回は形態から何を配慮しているかを考えてみました。
私に参加している守谷市では、「少人数でボランティア講師と日本語を学習できます。」と説明しています。
これは、日本語を習得したい一人一人のニーズに応え、それぞれの希望とレベルに基づいて効果的に学べる環境を整えたいという考えからです。理想は、1対1での対応です。ところが、ボランティア講師は、様々な事情から「必ず人数確保ができる」という状況ではありません。時には、日本語レベルの近い方や、学ぶ目的がほぼ同じと考えらられる方と2人または少人数で一緒に学んでいただくことに同意してもらいます。そこで、「少人数で」という表現になりました。
場所の確保はどうでしょうか。
多くの場合、所属自治体の市町村が会場を無料にしてボランティアの外国の方の日本語学習の場を保障してくれていると思います。しかし、所によっては、自治体内にある社会福祉協議会が支援している形をとって、場所の無料提供を行っているケースもあります。無料では場所を確保できず。各団体が負担するか、個人が提供するか、他に方法がなければやむを得ず学習者から場所に係る費用を徴収しているケースもあります。ボランティアは地域によって違いがあり、みんな無料でできる状況にある訳ではありません。空白地域以外の見えざる課題の一つです。
ボランティア講師は、同じ学習者に長い期間継続しない原則を決めて授業を担当する方法があります。
これは、個人的な結びつきが強すぎて学習や日本語習得内容に偏りができる弊害をなくすためです。例えば、講師が事情で休むと学習者も一緒に休んでしますケースがあります。週1回の学習機会での支援活動という観点からは、空白や遅れが生じますし、他の有能なボランティアがいるにもかかわらず対応できない事態になります。多くの日本語話者とかかわり、豊かな日本語表現を身に着けてもらいたいと考えるボランティア活動にとっては残念な事態です。講師にも方言や語彙の豊かさの領域にバラエティーがあります。できるだけ多くの講師とかかわって全体として豊かな表現力を習得してほしいのです。ボランティアは個人の能力ではなく、チームでの最良の質の日本語を提供するシステムだと考えることができます。この立場からは、短い期間だと3か月で担当講師を交代する教室もあります。談話重視のところでは、毎回担当を決める仕組みの教室運営もあります。わたくしたちは、1年として30回ほど継続担当を認めています。メリットとデメリットがありますので、円滑な運営にはアイディアが必要です。
大きな部屋で行う個別対応の授業形態は、賑やかさの中の会話聞き取りという効果もありますが、それぞれの形態と内容での学習を参加者が見ながら、自分の学習に取り組むことを保障している形にもなっています。
現実を背負いながら、工夫して対応しているのが実情です。
皆さんの地域日本語教室ではいかがでしょうか。
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