皆さんと考えたいこと。
関東弁護士会連合会事務局(外国人の人権救済委員会担当)主催
シンポジウムへの参加報告
2024年12月5日(木)、18:00~ZOOMにて、関東弁護士連合会主催の「入管難民法の改正」についての報告とシンポジウムを視聴しました。
皆さんの中にもご覧になった方も多いと思います。考えさせられました。
次の機会に、日本語と日本の法律の条文の表現や外国人に対応するわたくしども政府の対応の内容について考え、意見交換出来れば幸いです。地域日本語教室を運営し、日本語と日本語表現を学び合っているわたくしたちには、理解しがたい事態が進行しているという感想を持ちました。
要点は、『2024年、外国人の永住権を剥奪できる入管難民法の「改悪」法案が国会を通過したこと』です。
私たちもいろいろと考えてみましょう。
新聞記事では、「クルド人など外国人へのヘイトスピーチが横行」している、という内容のものを時々見かけます。ヘイトスピーチをしている側は、「言論の自由」だなどという始末です。尤も、首都東京でも、関東大震災に時に市民の自警団に殺害された朝鮮人への追悼をしなくなった地方自治の現実も見られます。政府も「記録が確認できない。」などという始末です。今年は千葉県知事や埼玉県知事は、異なった対応をして、歴史の事実をきちんと見つめています。
今年は国政選挙がありましたが、「選挙を禊とみる発想」が取りざたされています。多くの人は気づきませんが、この発想自体が、民主主義ではなく不当なのです。ましてやトランプ次期アメリカ大統領、兵庫県知事が当選するような異常な事態まで起きています。SNSの功罪はオーストラリアの対応とSNSで選挙に勝利したという考えとが拮抗しています。要するに何が正しいか判断できない、あいまいな混沌が支配する言論空間になっているのではないでしょうか。
私たちは、身近な課題で話し合いたいと思います。
例えば、伊藤ハムのような大きな会社でも、技能実習生の有休が無かったりします。難民の方が働く職場では、「食器洗いはAさん担当」という職場の了解が、時に「事大主義的」に解釈されています。職場で手が空いて食器だけが大量にたまっているという状況でのことですが、手すきの日本人従業員は、手伝ってやろうとはしません。これでは職場の円滑な運営や人間観関係の質の向上を図れません。人間という要素を抜いて、労働力と効率や担当区分だけから考えているとこのように、非協力的で「いじめをしている状態」になるのではないでしょうか。近所の話題もアパート住まいの外国人の「ごみの出し方」の誤りに対して、情報提供というコミュニケーションを図らず、「やっぱり外国人は・・・」という会話を平気でする住民生活の現実があります。
岩波新書に「やさしい日本語」という庵攻雄の著作があります。わたくしたちの教室でも「やさしい日本語」を取り上げていますが、著者が「将来、日本が移民政策をとるようになった時に備えて・・・」という言葉を記憶にとどめていない方が大半ではないでしょうか。
ことほど左様に、身近なわたくしたちの日本語の中にも気づかない欠点や見落としていることがあります。人権は基本的人権で、「ヒューマンライツ」であることを忘れてはいないでしょうか。日本国憲法という国内法と1979年の自由権と社会権の国際規約の批准という、国際法によって二重に保障されているはずなのですが・・・。
考えてみたいことではないでしょうか。
宮本敏弥
地域日本語教育コーディネーターH29文化庁研修修了