16回目
学習者の中には、10年間日本に住んでいるので、日常会話がとても流暢で、聞きやすい日本語を話す方がいます。この10年間で、男の方3名にお会いしました。仕事も、職場での人間関係も問題なく過ごしているのだが、ある時日本語教室にやって来て、日本語を学びたいというのです。聞いてみると、そのかたのお子さんが小学校4年生になり、勉強のことなどを聞いてくることがある。親子の交流のいい機会なのだが、ご本人は会話では申し分ないが、平仮名、カタカナ、漢字を読み書きできないというのです。子供の宿題や学校からのお便りが読めないのでは、寂しい。そこで学びたいという切実な状況なのです。
ひらがなは読めるという方の事例ですが、「読めます」というので早速読んでもらったのです。
「ひらがなは・・・めるというので、・・・・んでもらったのです。」
お分かりになりますね。漢字かな交じり文において、ひらがなを全部読んでしまうと、かえって日本語の単語の姿が消えてしまうので、意味がとれなくなるのです。
ボランティアとしては、新たな日本語の発見です。
この5月になって、5年前に来ていて、仕事の都合で来られなくなっていたインドネシアの男性が日本語学習にやってきました。理由は5年前と同じです。日本での生活は27年目になりますと自己紹介されました。家族の状況は、長男は大学生になり、他県で暮らしています。次男は中学2年生だということです。漢字の学習に見えたのです。近隣の取手市、つくばみらい市の日本語教室とも掛け持ちで学びたいとの意欲的な申し出です。音声言語の文字化の学習です。明確な目標をもっていて、すがすがしい気持ちの持ち主です。
改めて、人生と人と人との出会いを考えさせられました。
皆さんはいかがでしょうか。
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