9回目
「虫採り」という短文があります。鷲田清一が書いています。
「1人きりになれること。これこそが、昆虫採集の最大の幸福の源なのかもしれなません。虫採りは本来一人でする孤独な行為だ。」これで終われば平凡な文章です。
「でもそこは、独きりになることへの不安や怖れでなく、逆に「生を営むことの喜びを、自分の中心にではなく、外界へと開くおおらかさ」に溢れていると、文化人類学者は言う。」と結んでいるのです。
今日まで考えてきた、ボランティア活動に通じるものがありませんか。一般的には「楽しいことは続けられる。」「すきでないと続かない。」「好きこそものの上手なれ。」大成した芸術家も言いますね。「すきだから厳しい訓練も乗り越えられた。」そのことをしているときが「楽しく」充実していたからできた結果であると・・・。昔から言われていることや、多くの方が言うことには真実があります。
上記の引用文では、一般的には「孤独なこと」と考えられていることが、「生を営む喜び」が溢れているというのです。ボランティアの活動も、準備に時間を取られるし、不得意なことをしなければならない状況もあります。家庭の都合を調整したり、個人の趣味の時間を犠牲にする面もあります。これは、上記の言葉では「孤独なこと」にあたります。外国の方とも接点があるときは、『逆に「生を営むことの喜びを、自分の中心にではなく、外界(外国の方)へと開くおおらかさ」に溢れている』と考えることが出来そうです。それがボランティアの「楽しさ」であり、一般的な楽しさとは質と次元が異なります。
皆さんは如何でしょうか。
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