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用車-1
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経:ただ、智慧方便を以て三界の火宅より衆生を抜済せんとして、為に三乗の声聞・辟支仏・仏乗を説く。しかもこの言を作さく。汝等楽って三界の火宅に住することを得ること莫れ。
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太郎訳:ただ、智慧と方便によって、世界のあらゆる苦しみから人々を救おうとして、そのために修行方法を声聞・縁覚・菩薩という三種に分けて説きました。そして、このように想うのです。みなさん、苦しみの世界の中で楽しみを求めてはいけません。眼、耳、鼻、舌、肌を楽しませるために、粗末なものを欲しがってはいけません。もし、色形、音声、香り、味、接触という外界のものに執着し、渇愛を起こせば、熱せられ、焼かれることになります。みなさんは、速やかにこの世界から抜け出して、声聞・縁覚・菩薩という三種の修行を得て下さい。私は、みなさんを相応しい道へと導きます。そのことを保証します。これは、誠であって偽りではありません。みなさんは、それぞれの道で修行に専念してください。如来は、この方便によって人々を導きます。そして、また、このように思うのです。みなさん、よく知っておいてください。この三乗の教えは、すべて聖なる者たちの称歎する内容です。縛られることのない自由自在の心で、依存や欲望がありません。この声聞・縁覚・菩薩の三種の修行をし、迷いのない五根、五力、七覚支、八正道、禅定、解脱、三昧などによって、自らが願って精進し、無量の安らかなる境地を得て下さい。
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用車-1
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