仏教のお話

Rの会:譬諭品第三 / 32

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ダルマ太郎 2024/05/14 (火) 17:45:46

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別譬に合す
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見火
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経:諸の衆生を見るに生・老・病・死・憂悲苦悩に焼煮せられ、また五欲財利を以ての故に種々の苦を受く。また貧著し追求するを以ての故に、現には衆苦を受け、後には地獄・畜生・餓鬼の苦を受く。もし天上に生れ及び人間に在っては、貧窮困苦・愛別離苦・怨憎会苦、是の如き等の種々の諸苦あり。衆生其の中に没在して歓喜し遊戯して、覚えず知らず驚かず怖じず、亦厭うことを生さず解脱を求めず。この三界の火宅に於て東西に馳走して、大苦に遭うと雖も以て患いとせず。舎利弗。仏これを見おわって便ちこの念を作さく。我はこれ衆生の父なり。その苦難を抜き無量無辺の仏智慧の楽を与え、それをして遊戯せしむべし。
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太郎訳:人々を見れば、生老病死の苦をはじめ、様々な辛さ、悲しさ、悩みに身を焼かれ、心を煮られています。また、見る楽しみ、聞く楽しみ、食べる楽しみ、嗅ぐ楽しみ、触れる楽しみを欲しがり、財産や物質などを手に入れようとするために様々な多くの苦を受けています。また、欲しいものに執着し、それを追い求めるために、現世では色んな苦しみを受け、来世でも、地獄・畜生・餓鬼の世界に墜ちて、大きな苦しみを受けることになります。もし、天上界に生まれ、神々となっても、または、人として地上界に生まれたとしても、貧困に窮する苦しみや、愛する者との別れ、怨みをもつ者との出会いなど様々な苦を受けることでしょう。人々は、このような苦の世界にいても、そのことに気づかず、気づいていても気にせず、快楽を求め、遊びに夢中で火宅を覚えず、知らず、驚かず、怖れていません。また、それを嫌だと思って逃げようともしません。この、恐ろしい火宅で、あちこちを走り回り、大きな苦に出会っても、立ち向かおうとしません。シャーリプトラよ。仏は、このような現実を見て思うのです。私は、人々の父です。皆さんの苦しみを抜き、無量の仏の智慧によって、最高の楽を与え、そのことで、本当の意味での自由自在の境地へと人々を導くことが願いなのです。
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見火
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