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几を捨てる
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経:舎利弗。この長者是の思惟を作さく。我
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太郎訳:シャーリプトラよ。この長者は、このように考えました。私は、力に自信がある。木の箱に入れるか、机の上にみんなを乗せて押して一気に助け出そうか? また、さらに考えました。この屋敷には門が一つしかない。しかも、狭くて小さい。子供たちは、幼稚でまだ火のことを知らない。遊びに夢中になっている。このままでは、火に焼かれてしまう。私は、子供たちに危険な状態だと説得するほうがいいのだろうか。この屋敷は火事だ。早く出て来なければ危険だ。火から逃げて、安全な所に出ることが必要だと教えることが先決だ。そう考えて、すぐに長者は、考えた通りのことを子供たちに言いました。子供たちよ! 速やかに出て来なさい! 父は、子供たちを哀れだと思い、一生懸命に声を掛けて誘い出そうとしますが、子供たちは、まだ遊びに夢中で知らんふりです。驚かず、怖れず、逃げようという心になりません。また、火とはどういうものかを知らず、屋敷がどういうものかを知らず、命を失うことがどういうことかも知りません。ただ、あちこちを走りまわり戯れて、たまに父を見ますが、気にもせず無視しています。
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几を捨てる
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