性能優秀、BR適切で使っていて楽しい車両ですね。実装発表時は75式自走砲に比べて正直「乗員減少・車体性能はいくらかよくなるくらい・砲の初速が上がるが弾道変わって隠れた目標に当てにくくなるのでは?」と否定的な意見でしたが撤回する必要がありそうです。
〇火力
まずなによりも特徴的なのが火力で、なんといってもオートローダーの優秀さが際立つ。大口径榴弾の加害は「0か100」とまで言わずともかなり極端で特に距離が開くと威力が不安定になるのですが、30発全弾を7.5秒装填とD10や20ポンド砲、よりも高い速度で発射できるので仕損じてもフォローが効き、結果的に生残性の向上にもつながっています。併せて優秀なのが砲の旋回・俯仰速度でそれぞれ【毎秒11°/14°】にもなり、同業他車のVIDARの【5.9°/5.6°】やM109の【6.5°/3.9°】に比べ2倍かそれ以上の速さであるうえ、MBTで見ても下手な東側車両より速く、英戦車並みの速度で上記の火力を振り回せるためかなり快適。レーザーもIRもありませんが、このBRではステレオ測距儀すらない車両も多いので問題はありません。
〇防御面
開発当初に一番不安に思ったのが防護面で、機銃に抜かれかねない厚さなうえ乗員が減少していることですが、結論から言えば問題はなかったです。数値上確かに抜けるのですが、実際のところ距離と角度の関係で抜かれることはほとんどなく、貫通しても配置の関係で乗員に被害がいかないことが多いです。砲塔前面の履帯がいい仕事をしているのもありますが、そもそも素の装甲である圧延装甲20㎜というのはM2のような中口径機関銃にとっては実践では厳しめの数値のようです。今まで使い込んで200回撃破されていますが地上車両の機銃による被撃破は3回の1.5%で、いずれも駆動系・砲塔が沈黙した状態で真横0距離から撃たれたことによるものでいずれにせよ撃破は不可避の状況でした。むしろ相手が機銃掃射に固執して返り討ちのように助かった回数のほうが明らかに多いので、相手機銃を過剰に警戒することは却って不利になるように思われます。車体配置が非常に優秀で、特に車体に弾薬が存在しないため、撃たれても無傷で反撃というのは珍しくありません。オートローダーなので装填が止まらないことも合わさり、英仏のような加害の弱い徹甲弾相手だと3発以上撃たれても修理箇所すら出ないこともあります。乗員は3か所にうまい具合に分散されており、乗員減少による耐久性の低下はほとんど感じません。
〇機動性
BR相応で後進速度もあるため軽快に動けます。上述の砲の取り回しの良さも相まって市街地の近距離戦でも活躍できるため後方にこもらざるを得ず役立たずになることもなく、どんなマップでも使い手があります。
〇特記
何より警戒するべきは空襲で、特徴的なシルエットは大口径機関砲はもちろん、爆弾やロケットのいい的…なのですが、先述の砲の取り回しと初速の良さから99式に関してはピンチではなく明確にチャンスです。容易に砲を向けることができるため、機銃掃射や爆撃のためにまっすぐ向かってくる機体はほぼ確実に近接信管で返り討ちにできます。撃破した飛行目標は217戦で37機になり、おおむね5試合に1機のペースで航空機を破壊しており、奇襲攻撃でない爆撃を迎え撃って撃ち負けた回数は3回で、航空機の存在に気付いてさえいれば圧倒的にこちらが有利です。
〇俯角のなさが気になるところですが、使っていて問題になることはありませんでした。ねらい目が基本的に砲塔やその上部であることもありますが、特に野戦においてはWTではよく見られる下図のような地形で図のように運用でき、射撃に使えるスポットは普通のMBTよりも多い場合もある。この時に特に99式の良好な砲周りの性能が光ります。
〇総評 強いうえに楽しく、それでいて環境を破壊することもない、いい車両。