最初にブリッツはゼロに急接近した。
「速い…!」
そのあまりの速度に目を見開くゼロにブリッツは剣を持つ腕のみを動かすフェンシングのような連続突きを繰り出す。
「ハーピーペック!!」
「フェンシングか、それなら俺にも出来るぜ…葉断突!」
ドドドドドドドドド!!!!!!!
激しく突き合う両者。
「(こいつ…速さと技だけじゃなく…何て力だ…!!)」
ブリッツの突きの威力と勢いに歯噛みするゼロ。
この時点でゼロの技の威力はオメガセイバーの性能やガーディアンカード「シンドローム」によって上乗せされている。
「(う~ん、木属性か…このまま闘り合うのは拙いねぇ…)」
このような事を考えながらもブリッツは余裕の態度を崩さない。
「私もいるのをお忘れか?迅雷豪閃!」
アイリスが横から迅雷豪閃を放つが…
「サンダーワイパー!」
ブリッツはアイリスに足を向けると足裏から先端が球状になっている電流を放ちこれを食い止めた。
電流はさながらブリッツの足の延長のようでありアイリスの技と押し合う。
この状態が暫し続いた後…
バサッ!
ブリッツは技を中断し真上に飛翔した。
「エアアサルト!」
キー――――――――――――ン!!!!!!
ブリッツは全身に帯電した状態で超高速の体当たりを繰り出し始めた。
メーア同様単なる一直線の動きではなくこちらの動きに対応してくるので始末が悪く、
躱したと思ったらその直後別方向から飛んでくるのだ。
それに加えてブリッツが飛んだ後は黒い飛行機雲が発生し視界が悪くなる。
そうした効果を伴った体当たりをブリッツは上から、横から、下から、斜めから繰り出してくる。
ブリッツは反射神経も良く、攻撃のタイミングは極めてシビアである。
ゼロは獄門剣で、アイリスは不滅之構でこれを迎え撃とうとするが反撃に成功する場合もあれば失敗する場合もある。
シリウスもブリッツがこの技を発動して早々に破壊されてしまった。
そんなある時、ブリッツがゼロの真正面から突っ込んで来ようとした。
「来い…!」
それを迎え撃とうとするゼロ。
その時だった。
「ドーン!!!!」「な…!」
ドガッ!!!!!
追いついたアンジュピトールが横からマチネトロワを繰り出しブリッツと激突したのだ。
ブリッツは吹っ飛びこそしなかったものの攻撃は中断され、アンジュピトールは激突の衝撃で多少後方に吹っ飛んだ。
「イテテテ…やっぱさっきの奴みたいに行かないかぁ~」
アンジュピトールは若干痛そうにぶつかった箇所をさする。
「君は何者だい、少年?ここは子供の来る所じゃない…と言いたいが只者ではないようだが…」
ブリッツは怪訝な顔で彼に問う。
「ボクはアンジュピトール。アンジュでいいよ。
偉い人に言われてさー、ある任務とそのついでに君達をぶっ潰しに来たんだよ♪
まぁその任務は終わっちゃったから後は君達を潰すだけだよ♪」
そしてアンジュピトールはゼロとアイリスに向き直り笑顔で言う。
「お兄ちゃんとお姉ちゃんはゼロと、アイリス…なのかなぁ…?
お兄ちゃん達とも遊びたいけどそれをやったら怒られちゃうからまた今度でいいよ」