小説掲示板

エルフミッション第17話「雷鳴」 / 5

13 コメント
views
0 フォロー
5
流星のD-REX=ZZX(管理人) 2022/07/15 (金) 10:52:58

その時だった。

モクモクモクモクモク…

2人の前方に黒い雲が現れた。
そして次の瞬間…

ビュオッ!!!!!

黒い雲が内部に生じた竜巻で吹き飛ばされ、中から鳥のようなアーマーを纏った4コマンダーの1人で轟雷軍団団長、ブリッツが姿を現した。
画像

「私の軍団の猛攻を掻い潜り、ここまでやって来るとは流石だね…
ゼロと…隣にいるレディはアイリスかい?資料と随分雰囲気が違うようだが…」
ブリッツが尋ねアイリスは応じる。

「如何にも、我が名はアイリス。今は兄カーネルと1つになってこの姿になっている」
これにブリッツは返して言う。
「おや、カーネルが強く出てしまっているようだね…それとも本当はカーネルなのかい?
ともあれカーネルはウイルスに因らず自らの意思でイレギュラー化したイレギュラーの代表、
そしてゼロ、君はあのシグマをイレギュラー化させた元凶の赤いイレギュラーだろう?
どちらにしろ世界の為に排除しなくてはならない存在じゃないか」
「今更そんな話で俺が退くか。それに『赤いイレギュラー』はもう俺の中にはいない。正真正銘の別人だ」
ゼロは冷静に応える。
それにアイリスが続く。
「貴様等のやり方は知っているぞ。人間によるレプリロイドの完全支配…それだけでも胸糞悪いが
貴様等はその更に下を行く…私利私欲によるレプリロイドのみならず他の人間に対する蹂躙だろう」

「フッ、総帥殿や幹部を始めとするメタシャングリラの人間は世界を正しく導ける素晴らしき方々さ。
あの方々には相応の権利があって当然…そしてあの方々に逆らい悲惨な未来を招こうとする者など排除されて然るべき…
私はあの方々に仕えその剣となれることを心から光栄に思っているよ」

ブリッツのこの言葉に当然の如くアイリスとゼロは猛反発。
「強者が弱者を踏みにじるだけの世の中など例え争いが無くなろうが平和とは言わん!人はそれを…地獄と呼ぶのだ!」
「それに心からだと?その心はサイバーエルフの洗脳による偽物だろうが!」

「今の私の心が偽物か本物かなんてナーンセンス!美しき造花とその辺の雑草でどちらの方が価値ある物か考えるまでもないだろう?」
2人の言葉をブリッツは軽くあしらう。

「その造花は回収して廃棄すべきとんだ不良品だろうが!」
「プロジェクトエルピスなどでは…ましてやそれを実行するのが貴様等の組織では平和は勝ち取れはしない!
平和の為に、貴様等を討つ!」
より怒りを込めるゼロとアイリス。

それをブリッツは不敵に構える。
「いいだろう、この私自らの手にかけられる事、そして未来のデータより生まれしこの聖剣
『ハーピーテンペスト』のビューティフルでエレガントな技で裁かれる事を光栄に思うがいい!!」

そしてブリッツは鍔の部分が鳥の翼に見えるセイバー系武器「ハーピーテンペスト」を手に臨戦態勢に入る。
大災害の前触れのように空気が震え、身構えるゼロとアイリス。

通報 ...