ににんがし

【えんどうけいこ&ユタカB】 / 93

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93
えんどうけいこ 2021/03/20 (土) 20:54:38

したり顔の土佐の長宗我部
藤目の城を落としたり
その火はやがて飛び火して
粟井(あわい神社は焼け落ちて
未だ煙を吐きながら
焼け焦げた柱は
炭となり
古(いにしえの柱の木肌
神の大きな哀しみに
黒のあわいは
煙と共に
空の青さに混じりおり

混じる二人の詩の青さ
交わる言葉で詩を紡ぎ
何万光年も旅をする
言葉に乗りて旅をする

思い巡らし夜も更ける
この詩を終わらせることもなく
言葉の淡き色彩に四季を語らせ
死を思い
あの世この世を行き来して
詩は生まれ変わりて
声となる 文字となる

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  • 94
    えんどうけいこ 2021/03/20 (土) 20:55:07 >> 93

    触れれば直ちに崩れてしまう
    砂上の城にすぎない夢の中で
    生死のあわいをたゆたっている

    気づけば電車に乗っている
    とろけたバターさながらに
    昨日と明日、過去と未来を
    循環する意識の中で
    ときおり神とあいまみえる

    自然と口からこぼれた言葉は
    ビスケットのかけらのごとく
    地表に撒き散らされている
    ああ、願わくは
    誰かの足に踏まれる前に
    啄む鳥の慰みとならんことを

    コトバを咥えた鳥は囁く
    コトバと囀りの曖昧さに
    鳥のクチバシは過去に置き去りにされ
    神のカラダの中に溶け込んでいく
    神のカラダは紙にコピーされ
    滲んだインクの中に
    コトバは閉じ込められていく
    詩人がA4のコピー用紙に刻まれた
    神の詩を読み上げる
    紙に書かれた歴史は
    書いた者の歴史であり
    虚と実のあわいは
    コトバをなぶり殺しにしていく
    神は閉じ込められて初めて
    人の愚かさを知り
    詩人は読んで初めて
    神の尊さを知り
    HEY!Siriと呼び出された
    A.I.の曖昧さに人は笑うのだろう

    神社ごと火に包まれた
    歴史は灰に変わることなく
    記憶にぬばたまの影を落とす
    コトバを失くしてしまうほど
    絶望にまみれた人たちの
    声にならない祈りにすら
    ときおり神は応えるだろう
    光と闇のあわいに目をこらし
    文字を再び思い出せ
    コトバを再び取り戻せ

    97

    ふとアスファルトに目をやる
    アスファルトの割れ目から
    黄色いタンポポは顔を出す
    鮮やかなキイロ 太陽のようなキイロ
    心を奪われたその時
    涙が零(こぼれ落ちた
    今を生きるタンポポに
    独りでに口から呟いたコトバ
    その一言に堰を切ったように
    溢れ出るコトバ
    曖昧な感情に 思うがままに
    コトバの川はネットの海へと繋がった
    コトバは海を揺蕩(たゆたいながら
    過去と未来を行き来する
    キミとボクとを行き来する

    101

    「ビスケットの欠片(かけら」