ににんがし

【えんどうけいこ&ユタカB】 / 78

125 コメント
views
0 フォロー
78
えんどうけいこ 2021/03/19 (金) 19:15:24

電車に乗ってふと考える
変わらぬ日常 変わらぬ世界
ふと見えたのは 大きな古墳
ふと感じたのは 長い時間
辿り着くいつもの駅
降り立ついつものホーム
いつもの日常が長い長い時間の中に
吸い込まれていく 溶け込んでいく

時間も空間もない
アイスクリーマの中の
ミルクとヴァニラエッセンスのような
宇宙(ソラが混ざりあっていた頃
大地は冷たい冷蔵庫の中で
風になぶられ
ただ乾くに任せていた
雨は叩きつけてきた
それはまるで
ミルクに浸かったビスケット
倦んだ神の悪戯か
みるみる潤う大地から
意図せぬ命が生まれけり
チョコチップを
散りばめたビスケットみたいに
それから何が起こったか
星の光と真空の真っ暗い闇が区別され
空のアイスとソーダの海が分かたれて
遂に無限が喪われ
神は天から見おろすばかり

したり顔の土佐の長宗我部
藤目の城を落としたり
その火はやがて飛び火して
粟井(あわい神社は焼け落ちて
未だ煙を吐きながら
焼け焦げた柱は
炭となり
古(いにしえの柱の木肌
神の大きな哀しみに
黒のあわいは
煙と共に
空の青さに混じりおり

焼かれた神社の柱は崩れ
撒かれた残渣に記憶は薄れ
行く手阻みし
海へと向かひ
秘めた言葉のその奥に
明(あかい朝(あしたと夜(よのあわい
淡い記憶はその哀しみを慈しみ
彼岸と此岸の
木々に実りを
神に祈りを

通報 ...