きくくち

《融点》

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エアコンの修理をした。
早く腐りたかったからだ。

頭上では十進数と二進数が一騎打ちを繰り広げていて、どっちでも変わらないよと野次を飛ばしてみる。早く天使とか通ってくれればいいのに。おかげでわり食って、イヤホンがノイズ吐いてる。ああ、素数が存在したばっかりに。
わたしとリモコンの間に垂線を引いたらそこに案山子みたいに冷蔵庫が立ってるんだけどさ、
「プリンの賞味期限は1年前に過ぎました」
そんなの誰も聴いちゃいないよ、ありがとう教えてくれて、ごめんね食べられなくて。凍らせばアイスになるでしょ。そんな前のことで戦争なんて勘弁して欲しい。こないだ五円玉犠牲にして何願ったか覚えてる? 世界平和。
今ここで体現してんだよ。ご丁寧に貼り付けてもう動く気もない

痩せた月と目が合った。パリン。
手元の鋏を投げつけて、星が降るのを待っている。
3回唱えたら、わたしの躰には切り取り線がひかれる。

りちゃそ
作成: 2019/11/03 (日) 18:24:56
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前回の詩人狼村でエピ閉じ直前に書いたものです。
テーマはhttp://managarmr.sakura.ne.jp/sow.cgi?vid=275&mode=all&turn=7&logid=TS00512

個人的なお気に入りなのですが、「頭上」が固いかな、と2連目最終の句点なしの是非をお伺いしたく。
あと雰囲気に対して漢字が多い気もしてますがこれはこれでよいのか、もっと柔らかい方がいいのか…

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投稿ありがとう。
 
ぼく、よくりっちゃんの詩を評して
「言語体力が高い」とか「言語的反射神経がいい」
みたいなことを言ってる自覚があるのだけど、
冒頭の「早く腐りたかったからだ。」なんて
それを第三者に説明するうえでわかりやすいかもしれない。
(意味がわからない!という方は堂々と書き込んでください。お返事します)
 
ラジオのザッピングをつなぐと
綺麗な星になった、という印象の詩。
 
作者のコース取りが上手いので
アングルが変わっても戸惑うことなくついていける。
詩なんだけど、ふしぎと詩人よりは
初期の舞城王太郎なんかをおもいだした。
これをテクニックで書けるひとは多分いないな、ってかんじのテンション。
 
 
■「頭上」
固いけど、ひらくともっさりするし、
言い換えも特段効果的なものが思い浮かばないので、よい気がします。
 
■2連目最終句点なし
個人的にはなしに賛成。
読点つけてその後空行多めに入れるみたいな別案もありっちゃありだとおもいます。
 
■漢字
固有名詞や動詞のぶんがほとんどなので、
自然であまり気にならなかった、というか、
むしろ言われて「え、多いか?」とおもった。笑

全体的に目の音も耳の音もうつくしくて、
あまり細かいところを解釈していくものでもないかなとおもう。
もちろんそれは(裏)テーマ消化という縛りがあったことも影響してるだろうけど、
本質的に、手をつないで抱きしめてそれから、じゃなく、さっと髪にキスする、距離感で接したい詩。

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詩評ありがとうございます!
空行は確かにもっとあっていいかもです。村のログに流れるのと、紙に印刷するのとここに投稿するのとでまた見た目(空気感・間合いとか)が変わってきますね。

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そうだねー。おなじweb上でもフォントなんかで印象はぜんぜん変わるし、
そのあたりにこだわるのもおもしろいとおもう。沼注意だけど。