今夜は旅立ちにもってこいの天気だ。
何十年も前に火の消えた灯台に登る。
君の乗った船がかすかな軌跡を残し
水平線へと走っていくのが見える。
この世界に未練はないのかい?
そう尋ねた僕を見返した、
君の瞳は僕よりもっと遠くを見ていた。
空には今世紀最大の流星雨。
世界への祝福だという人もいるし、
世界が滅びる兆しだという人もいる。
ここから逃げ出さなきゃならないのは、
君じゃなく僕だったのかもしれない。
水面はどこまでも鏡のように静かで、
君の後を追って走って行けそうだ。
空には今世紀最大の流星雨。
世界への祝福だという人もいるし、
世界が滅びる兆しだという人もいる。
水平線に消えた船の後を追うように、
星は次々、尾を引いて流れる。
僕も流れ星になって君の後を追おう。
この世界に未練はないのだから。
どんな感じになるのかわからないので試験的に一篇投稿させていただきます。どきどき。詩人狼村7thのあとに作った詩です。
詩評について特にはリクエストありません。気になっている点は、「リフレインは有りや無しや」です。
投稿ありがとう。口開け!
■総評
手触りのいいことばの組み立て方が上手。
反面、無料の服をアバターに着せている感もあり、
雰囲気以上の広がりに欠けるようにおもいます。
■気になった点
「世界」が終わる予兆、「流星雨」、「旅立」つ「君」。等々。
舞台立てとしてとてもきれいだし、
これはこれで一定の世界観として普遍的な強度があるのも間違いないです。
ただ、全体を通してあまりにもその既視感のある世界に寄りかかってしまっているような。
たとえば「ここから逃げ出さなきゃ~」も
あくまで定型的で、「君」と「僕」の輪郭をなぞるところまでいかないんですよね。
同様に「この世界」の描かれ方そのものがかぎりなく茫洋としているため、
雰囲気ジュヴナイルの枠に収まってしまっている。
その方向性で攻めるならぜんぜんありなのだけど、
そうなると(リフレイン別として)字面かぶりなど細かいテクスチュアが気になるところです。
リフレインありやなしや問題については、
現状だとどっちでもええやないか、という印象。
スノードームやボトルシップを眺めるように楽しむぶんには
おもしろいところが多い詩だとおもいます。
ありがとうございます。
外部刺激をもとに組み立てた世界というよりは、ぼんやりと内部に抱いたイメージを言語化したものなので、なるほどそうなるわけだと腑に落ちました。
一旦、「細かいテクスチュア」に注意してみようと思います。