鹿野苑
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2023/12/11 (月) 07:07:50
>一眞見道。謂即所説無分別智。
(一には真見道。謂わく、即ち説きぬる所の無分別智ぞ。)
>實證二空所顯眞理。實斷二障分別隨眠。
(実に二空所顕の真理を証し、実に二障の分別の隨眠を断ず。)
>雖多刹那事方究竟而相等故總説一心。
(多刹那に事方に究竟すと雖も、而も相等しきが故に総じて一心と説けり。)
>有義此中二空二障漸證漸斷。以有淺深麁細異故。
(有義は、此れが中には、二空と二障とを漸く証し漸く断ず。浅深と麁細と異なることを有るを以ての故にという。)
>有義此中二空二障頓證頓斷。由意樂力有堪能故。
(有義は、此れが中には、二空と二障とを頓に証し頓に断ず。意楽の力堪能有るに由るが故にという。)
「二空・二障」は我空・法空と煩悩障と所知障。
「隨眠」は煩悩と同義で、それを多刹那に亘って断じるというのです。
有義の最初の方は漸悟、あとの方は頓悟。
成唯識論は後の立場を取ってます。
つまり、頓に無分別智を得て漸に阿頼耶識中の「習気」を滅するのです。
「習気」は残り滓みたいなものですが、此処までに一劫を要しそれを滅するのに更に二劫を要するのです。
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