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楽しいって何だろう?23回目「日本語教室を考える」

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ネパールから来た調理の技術の資格で滞在しているPさんと日本語を学んでいます。奥さんは技能実習生で来日して2年経ちます。ご主人はインドカレーのシェフとして、昨年来日しました。奥さんから電話があり、ご主人も日本語を学びたいというのです。早速、予定を立てて、連絡しました。しかし、1週間たちましたが、連絡が来ません。
そうこうしているうちに、予定してはいかがですかと伝えた日のその時刻に、予定していた会場の公民館から電話があり、外国の方が、来て待っているというのです。ご本人は予定を問い合わせていると思っている私を出し抜いて、予定は決定とばかりに、会場に現れたのです。ボランティア活動にハプニングは付き物ですが・・・。急いで15分で飛んでいきました。この日は60分間の日本語学習となりました。
事前の日本語研修無しで来日する外国人は、結構多いのです。
 日本語学習では四技能を同時進行で学びますが、ひらがな、カタカナを覚えたころ、会話文のかたちでの学習に入りました。はじめは「です、ます」を用いた丁寧表現でまなびます。5回目ぐらいで、仕事でよく使う会話表現をチェックしていて、電話の受け答えになりました。
「電話で予約すると、店で作ったカレーを持ち帰れます。」
動詞の学習では、はじめは「作ります」「作りました」を覚えます。この会話文では、「作りました」ではなく「作った」となることを説明しました。もう少し、文型に多く接してからにしたかったのですが、出てきたときに説明もしておこうと考え、説明したのです。まだ、動詞は、「ます形」「肯定・否定表現」「過去・非過去表現」の説明の段階でした。
 ところが事例説明をすると、あかるくうなずいて、「ああっ」、「聞きます。」と楽しそうに言い、納得できた様子でした。
 「です・ます」で日本語を学んでいますが、日ごろ聞く日本語は、普通体が多いのです。日本人は、職場内、家族、友人間では普通体で話します。例えば、「何作る」「もう作った」「食べた」「食べた、食べた。おいしかった。また頼むよ。」「です、ます」は出てこない会話です。外国の方は言語の「音」「発声」には敏感なので、納得できたのです。この時は意味が分かったのではなく、日本語の「音」「リズム」が聞いたものと同じだったのです。それで、普通表現の会話だったと納得したのです。言葉の意味が分かったわけではありません。でもこの納得が、笑顔をもたらしたのです。
皆さんもこのような経験があるのではありませんか。
いつ、どのタイミングで、何を、説明するか、どのようにわかってもらうか、考えさせられます。

刀水手帳
作成: 2024/03/28 (木) 07:11:45
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