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「楽しい」って、何だろう?22回「日本語教室を考える」

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日本語ボランティア講師のための「やさしい日本語」講習会に参加して、最後に質問を一つしました。
「て形の教授資料についてです。」
よく講習会で示される「て形の作り方」一覧表があります。ボランティア講師養成講習会の先生方も、「アルプス一万尺のメロディーにせて覚えることもできます。」と説明される一覧表です。Ⅰグループの動詞では『「い・ち・り」は「~って」』と教わりました。「行きます」は例外で、「行いて」ではなく「行って」とあます。これ以外の例外記述は便宜上ありません。
 疑問は、あたかもこの表を文法の法則のようにとらえてしまうことについてです。ご存じかとは思いますが、「行って」以外にも例外はあるのです。つまり文法法則ではなく、外国人の第二外国語習得に役立つ便宜性から作られた一定の合理性を持った一覧表だということです。例外は例えば、「問います」です。法則のように考えると、「い・ち・り」は「って」です。しかし、「とって」とは言いません「問うて」です。「取って」などと混同しますから、会話では用いないようにしています。しかし、AIソフトでは「取って」以外に「問って」も出てきます。PCへの入力は法則としての「って」が入っているということを示しています。「て形」の一覧表が日本語の文法の法則だと理解されている面があることを示しています。
 ボランティア活動では、このように文法法則とは考えずに、外国の方が覚えやすいように工夫された表であることを承知のうえで、活用しましょう。外国の学習者が日本語を習得しやすいように工夫することは大いにやっていきましょうという講師の方のご説明でした。
 外国の方が分かり易く、活用できる手助ができることが大事ですね。会話で伝えたいことが言えるようになることが「楽しい」に結びついているのではないでしょうか。

刀水手帳
作成: 2024/03/26 (火) 12:25:07
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