1940年代初頭から中頃にかけて、マティスの容態は悪くなって筆を持って絵の制作はできなくなっていた。そうした環境でベッド上で手軽にできる制作として始めたのがカットアウト作品である。
本作「かたつむり」は晩年のマティス作品でも最も重要なものである。
「かたつむり」というタイトルが示すように、着色されたさまざまな色付きの図形が螺旋状に配置されている。マティスは最初にかたつむりを描いていたが、その後、色付きの紙を使って抽象的に表現することにした。
紙の配置は「補色関係」に注意を払っており、たとえば緑の隣に赤が置かれ、青の隣に黃が置かれている。マティスはこの作品を別名「色彩構成」と呼んでいた。
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