ひよこと愉快な仲間たち

今日の くちばし / 57

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「型」という概念でいえば今読んでいる本に興味深い言葉がありました。
武士道を唱えた山本常朝の「葉隠」に三島が解説をした本のことばです。

「生活の細目ということから行動規範を見つけ出すという考えで、私は、
「葉隠」の場合、遠近法が非常にはっきりしていると思うのですが。
いちばん手もとにある、箸の上げおろしから、盃の持ち方、
そういうことからモラルをつめていって、それが美しいか美しくないか
ということから、こうすべきだ、ああすべきだということになり、
最後に死へもっていっているという感じがしまして、いまの人たちの
道徳観とぜんぜん逆みたいですね。」(三島由紀夫「葉隠の魅力」)

要は「型」のような基本のことこそが重要で、そこから常識や道徳や果ては
死生観につながる感性までもが築かれていくというようなことを言っている
んだと思うんですよね。

葉隠の中にはこういう言葉もあります。
 「大事の思案はかるくすべし、小事の思案は重くすべし」

それについて三島は、小さな事柄の中に理念が確固としてあり
「小さいことを軽視すれば、アリの穴から堤防が崩れるように人間は崩壊する」
イデオロギーが重んじられて、日常生活のしきたりが軽んじられている
倒錯した時代になってしまっていると、、

そのとおりすぎてぐうの音も出ないですね(汗)

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