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けむりくさの かんそうについて / 81

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ななしのひと 2019/03/29 (金) 22:07:23 5ac29@82d30

キャラクターが一様、ストーリーが平板。・・・そうかもしれないです。

極楽とんぼだったサーバルが必死に敵にしがみつき、燃える紙飛行機を投げる。
自己評価が低くアイデンテティを希求するかばんが、それを求めるより仲間を救うことを選ぶ、
また、ヒグマをごまかしてまでもノヴォリ走り飛び泳ぎサーバルのもとに飛び込む。
物語において、登場人物が事態やストーリーの進行の中で見せる変容がドラマとしての共感を呼ぶものです。

一方、ケムリクサ。
りん以外の姉妹たちにはすでに揺るがぬ「好き」があり、生死についてさえ達観している感がありますし、
わかばも一貫して優しさと思いやりの人でした。
りんだけが責任感と使命感という鎧から一歩踏みだしたという、これは12話もかけての大変ミニマムなお話と言えると思います。
全体を見たときに「山も谷もなく」「平坦なストーリー」という評価が出るのも間違ってるとは思わないし、むしろよく見ているなあと感じます。一方で、複雑に盛り込まれた世界描写に「推理小説を読むように描写を読み取っていけばいいのだろう」という声が出るのもまあわかります。

で、ここまで書いて逆に自分なんかは得心した部分があるんです。
ケムリクサは、最後のりんの変容だけを描くための物語だった。・・・最後まで見てそれが一番胸に残った作品の核だと思いました。
で、作り手はそのために、そこまではストーリーに余計な凹凸を入れずに一直線に進む必要があった。
そしてそういったシンプルな物語を興味をもって最後まで見てもらう…ラストまでたどり着いてもらうためには、それ以外の要素にいっぱい仕掛けを施して引っ張り、万全の態勢でりんの一歩に備える必要があった。
閉じた世界と迷いのない周囲のキャラクターを用意周到にぶれずに描き、りんが変容する結末と、そこに閉じた世界の小さな出口を配した。
こういう意図だったのかな、と。
12話かけての山あり谷ありのドラマでなく、最後のこの一点に向けて逆算して構築された非常にストイックな作品だったんじゃないかなあ、と思うのですが、どうでしょう。

そうだとすると連続娯楽番組としては非常にアンバランスだし、冒険的すぎて、ともすれば「構成が下手」と見られかねない作りではあります。
けれど、実際視聴者として「ああ、ここに行きつくために…」と感じることができた身としては、そのミニマムな物語に大きな感動を受けることができたことを幸せだと思うし、それを受け止めてもらえることを信じて貫いたクリエイターに拍手を送りたい気持ちでいっぱいなのです。

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  • 83
    ななしのひと 2019/03/29 (金) 23:01:54 df5cd@cb22a >> 81

    ストーリーが平板というか、
    前半1〜3話は正直心配になるくらい波がなかったし、
    あっさり終わった、感もあります。

    しかしキャラに関しては、姉妹は一様と言われても仕方ないにしても
    (元同一人物なんだから当たり前なんだけど)
    りんとわかばの関係性の変化は見事だったし、
    わかばの評価の上がり方(特に他の視聴者の反応)は見てて笑えるくらいの手の平返しで
    人物描写の手腕が光りました。

    でも刺さらない人や、好みが合わない人も居るでしょうから、
    仕方ないんですけどね。

    84
    ななしのひと 2019/03/29 (金) 23:33:59 5ac29@82d30 >> 83

    >前半1〜3話は正直心配になるくらい波がなかったし
    同人版を見てしまっているので、あれの延長だなあっていう気持ちは正直ありましたね。
    だから自分の場合テレビ版だけについての公平な見方ができてなかったところがあると思うんですが、テレビだけを見ていた人にも「波がない」って感じ方だったのか気になるところではありますね。上の評価サイトでそう書いていた方はそんな感じかな。
    序盤でもう一つだ・離脱したという方、やっぱり確実にいるのかと。
    考えてみればけもふれもそういうとこあるな…。
    やっぱりリスク込みの作りなのでしょうね。
    たつき監督はそうでない作品作りも今後やっていくのか、ふるい落としてでもこの作風を貫くのか、めっさ気になるぅ~。

    86
    ななしのひと 2019/03/29 (金) 23:58:10 df5cd@cb22a >> 83

    実際1話切りをした人が半分くらい居たみたいです。
    でも4話辺りから切り返し。
    中盤からは右肩上がり、11話で残留率が100%超えてたそうなのでw

    今作を「半信半疑」「お手並み拝見」で観ていた人
    (業界人・スポンサー含む)は慣れたでしょうし、
    監督も手応えは掴んだでしょうから、手法は変えないと思いますね。