では早速、法華経が説かれた意味についてお話を始めて参ります。
仏教では正法・像法・末法と言ういわゆる「三時」という三つの時代区分が説かれているのをご存知でしょうか。
お釈尊様が入滅されて時代が移り変わって行くうちに、次第に仏教が衰退し末法に至っては『大集経』に「白法隠没(びゃくほうおんもつ)」と記されておりまして、お釈迦さまが説かれた教えはこの世から姿を消してしまうであろうと言われております。
伝教大師の『末法灯明記』にその事が次のように書かれております。
わたしが世を去った後、最初の五百年間は、多くの比丘たちはわたしが説いたままに行を修めてさとりを得ることが確かであろう。(ここでは初果を得ることをさとりという) 次の五百年間は、禅定を修めることが盛んであろう。次の五百年間は、多くの教えを聞くことが盛んであろう。次の五百年間は、寺をつくることが盛んであろう。最後の五百年間は、争いが盛んになり、仏の教えはこの世から姿を消してしまうであろう。(現代語訳)
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