交通課には、「道路の標識がおかしい所がある」という苦情を言いに来たという設定にした。違反切符を切られたとか言おうものなら奴らはそれに対して難癖をつけに来たぐらいにしか受け止めない。
で、
交通課の受付の若い兄ちゃんに、こうこうこうであれなんで、もうちょっと話の解るあんたの世話役人あたりを呼んで来て欲しいと言い、相談室に招待された。
最初に応対したゆゆしき奴は、応万な奴でむかついたので思わず言ってしまった、、、。
「おまえはバカか!」
と。すると何事かと奥から親分肌のゆゆしき奴がさっそうと登場した。
こやつはやるな・・・
雰囲気で瞬時に覚った。
如何にも話が解りそうな対応をみせるが、肝心なところでは
「いや、おかしくないですよ~」
切れてな~い、切れてないですよ~と言ってた芸人みたいなフレーズで話をごまかそうとする。場所が場所だけにこちらも慎重な態度でのぞまねば、下手をしたら奴らの思うがままだ。
最終的に奴は、
「確かにおっしゃられている事にも一理ありますね」
と言って、一応公安委員会の方に市民からこのような相談があったと報告しておきますと言って話は収まった。
が、しかし
翌日ピンポ~ンとチャイムが鳴った。
玄関の扉を開けると私に切符を切った若造の警察官二人がそこに立っていた。
昨日、違反現場で切符を切った警察官が、書き損じがあったようで、切符を切りなおさせて下さいと言って来た。
違反切符の切り直しだと、、、、、。
そんな間抜けな警察官、私は今、初めて目の前に見る。
しかし、昨日の現場の状況を思い返してみれば、私はかなり警察官に圧をかけて抗議していた訳で、確かに若造警察官は二人してかなり動揺してはいた。
動揺のあまり書き損じたのであろう、仕方ないので二人を家に入れ、お茶でもだそうかと
「まー。二人ともまずはそこに座んなさい」
とダイニングのテーブル&チェアーに招いた。
が、しかし
二人が言うには、
「我々は勤務中なので立ったままで構いません」
と言う。言われてみれば確かに警察官が勤務中、公園のベンチに腰掛けてたり、食堂に昼飯を食べに来てたり、喫茶店でコーヒー飲んでたりなんて光景、あまり見たことがない。というよりそういう光景を想像すると滑稽でもある。
「なるほど、じゃあ好きにしなさい」
といって私は腰掛けて、コピー用紙と鉛筆を持ち出し、彼らに昨日より詳しく図解であの標識が如何におかしな標識であるかを解り易く説明した。