そんなエピソードも書いていました。
ほうれん草の根の部分を捨てていたのを和尚に見つかり「一番美味しいところを捨ててはいけない」と諭されたそうです。それでよく洗って葉の部分に混ぜてみると、ほんのり甘みがあって美味しかったそうです。根ばかりだとキツイけど、葉と混ぜることで味が引き立ったと言います。以来、料亭でもほうれん草の浸しを見ると、無いと分かっていても根を探す癖がついたそうです。
精進料理で言うと「全ての品物を調理し支度するにあたって凡人の眼で眺めてはならぬ。凡人の心で考えてはならぬ。ほうれん草の葉もヘタも同じなのである。どっちを尊び、どっちを蔑むことがあってはならぬ。品物の善し悪しに心を動かしてはならぬ。物によって心を変え、人によって言葉を改めるのは、道心ある者のすることではない。」ということです。難しいですね。
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