それは岩のように見える。どのような方法であれほどの重量体が動いているのかは不明だ。科学では説明出来ない様に思われたが、もしかしたら他のどんな物より科学的な物質と言えるかもしれない。
それは常に浮かび、静止していた。真中に嵌まっている目玉をぎょろりと動かしながら。そして気が向けば他者へと向かって、ぶつかって行く事もある。それが何を思っての行動であるかは、未だ分からぬ仕舞いではあるが。しかしそれを知ってどうするのか?とも思えてしまう。
もしかすると石ころは生きているのかもしれない。それを生命と呼ぶ者は居ないだろうが、私自身もまた別の誰かが生きていると断定しなかったら、生命とは言えやしないのかもしれないな。まぁこれに関しては我々はうっとうしく思うのだろう。そうであると思っている物事を、そうではないのだと考えることが。
あの石ころは怠けて生きる命なのだろう。そして私もそういうものなのかもしれない。
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