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桜門体育学会事務局
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インカレ選手と本戦出場選手などの競技レベルに差があるとどような結果になると思いますか。
ご質問ありがとうございます。
更なる検討が必要かと思われますが、岩崎ら(2009)は県大会レベル出場なし〜全国大会出場5回以上のレベルを対象とした競技意欲と受傷の関係について調査していますが、本研究よりさらに競技レベルが広範囲にわたる研究においても受傷した選手は競技意欲が高かったという結果となっているため、現時点においては競技レベルによって競技意欲と受傷の関係は大きくは変わらないのではないかと考えております。
積極的なメンタルトレーニングとありますが、具体的にはどのようなメンタルトレーニングがあげられますか。
ご質問いただきありがとうございます。
動機付けを行う方法は様々あるため多くは触れませんが、適切な目標設定や練習の中から自己決定を増やす等が挙げられると考えております。
競技専心性とコンディショニング能力の両方を高めることが競技力向上につながると思いました。競技専心性は,メンタルトレーニングで向上させることが可能と指摘しておりますが,コンディショニング能力はどのように高めることができるとお考えですか?
ご質問いただきありがとうございます。
コンディショニング能力の向上に関して、スポーツ現場のアスレティックトレーナーやS&Cコーチ、栄養士をはじめとしたコンディショニングスタッフが中心となり選手に対して日々教育を行なっていくことが重要と考えております。
具体的にはメンタルトレーニング同様、講習会形式で睡眠やストレッチ、栄養摂取等コンディショニングに関してプレゼンテーションを行なったり、練習場やクラブハウス等にストレッチ方法、栄養摂取の仕方等を掲示し意識をさせる、管理システムを使用し日々のコンディションを選手に入力させる等があげられますが、選手に競技に対する競技意欲が低い場合、特に自宅ではコンディショニングを怠ってしまうことも考えられるため、競技意欲を高めるメンタルトレーニングやコーチングも同時に行う必要があると考えております。
上向はスポーツ傷害の発生要因として心因的因子の知見はまだ少ないと1994年に報告し,2021年になった現在もなお少ないのでしょうか。では、なぜスポーツ傷害の発生要因として心因的因子に関する研究は少ないのでしょうか。
ご質問いただきありがとうございます。
辰見らは現在までに心理的側面とスポーツ傷害発生の関連を検討した報告はわずかであると2019年に述べており、現在もなお少ないと思われます。
また、少ない理由として私の主観となってしまい大変申し訳ございませんが
・スポーツ心理学領域において、より良いスポーツパフォーマンスを引き出すことを目的とした研究が主流である。
・スポーツ活動に関わる心理的側面を点数化し可視化する心理検査の開発が比較的最近であり、それらを活用しスポーツ傷害のリスクを心理的側面から客観的に検討する研究は未だ発展途上である。
・スポーツ現場における傷害予防を主に行うアスレティックトレーナーの教育過程の中に心理的側面の重要性が書かれているが、実際のスポーツ現場において傷害が発生した要因として心理的側面を検討することは非常に稀である。またスポーツ心理の専門家も傷害発生の現場にいることが非常に少なくいためスポーツ傷害の発生を心理的側面から検討される方が非常に少ない。
・スポーツ傷害と心理的側面の研究として、リハビリテーション中の心理的変化などスポーツ傷害の発生後の検討が多く、スポーツ傷害の発生を予防する検討はほとんんどされていない。
などがあげられると考えております。
競技に対する意欲が高い選手ほど受傷しているとありますが、その怪我が重傷である割合は競技に対する意欲が高いほど大きいか調査しましたか?
ご質問いただきありがとうございます。
本研究において14日以上競技に影響のあったスポーツ外傷・障害を研究対象として用いましたが、調査の段階においては直近一年半においてそのまま競技を継続したり、競技に影響があった日数が14日未満であったスポーツ外傷・障害も含めて調査をいたしました。
それらを含め、受傷群・非受傷群(一切傷害を負っていない)に分けて分析を行なったところ、どの項目においても有意な差が認められませんでした。よってスポーツ傷害を負ったか負っていないかというよりは重度なスポーツ傷害を負った選手は競技意欲が高いと考えております。