プロローグ
渉さんは昔から無茶ばっかりする人だった
いつもまっすぐな良くも悪くも単純な人だ
今だってそうだ 仲間に危害が及ばないよう一人で全部背負ってる
···仲間なのに頼ってくれない 相談もしてくれないで行っちゃうなんて···
無事でいてくれよ···渉さん
36e6b557c1
NPF.K&K
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早朝から専用機でロサンゼルスまで一気に飛んだ
パスポートはまだあるけどこれって不法入国じゃ···
エイデン「まあ気にするな バレなきゃ犯罪じゃねーから」
奏多「充分犯罪ですがそれは」
専用機にはシルビア等の車と最低限の予備パーツ それと···
奏多「軍用スナイパーライフル ハンドガン四丁 ロケランetc.必要ですかこれ?」
エイデン「お前今からどこいくかわかってる? 世界有数の無法地帯だぜ?この専用機で直接行ったら撃ち落とされるぞ?」
奏多(渉さんをぶん殴って連れ戻す筈がなんでこんな目に···)
エイデン「好きな銃持ってな 護身用だ」
奏多「んなこと言われてもな···」
とりあえず手近な物から探ってみる
奏多「これかな?」
そこにあった物を手に取った
エイデン「ベレッタM92か 上出来だ」
奏多「なんすか?それ?」
エイデン「まあいい銃ってこった それ特殊部隊のだから人に見せびらかしたりすんなよ」
奏多「な!なんでそんなの持ってるんですか!?」
エイデン「聞く?」
奏多「···止めときます」
機長「もうすぐフェアヘブンだ ベルトを閉めろ」
奏多「あっはい」
エイデン「もう着くのか」
奏多「真夜中ですけどね」
フェアヘブン 廃飛行機
奏多「久しぶりだなーフェアヘブン!」
エイデン「さて ここからどうするんだ?」
奏多「とりあえず直行でベンチュラですかね」
エイデン「!?」
奏多「冗談ですよ 寝床探しましょう ホテルなら色々知ってますが いい場所がありますよ」
蒼のガレージ
エイデン「ふーん?良いところだな?」
奏多「蒼のガレージです こっちに住んでた時に使ってました」
エイデン「さて 荷物下ろして飯食った どうする?」
奏多「レースに行きたいと思って 峠なんてどうですか?」
峠
ファアアアアアアン
ギャラリー「戻って来たぞ!」
キャアアアアア ファアアアアアアン
ギャラリー「先にゴールしたのはセストエレメントだ!」
ギャラリー「ちくしょう!」
ギャラリー「まあサーキット専用マシンに勝てる訳ないよなー」
??「まったく もっとマシなレーサーはいないの?」
レーサー「···くっそ!」
奏多「うぇーセストエレメントとか···」
エイデン「セストエレメントってガヤルドの限定バージョンみたいなやつで車重が999kgの奴か?」
奏多「おまけにエンジンが500ps超えとくれば公道走れないのも納得ですよね」
??「···! そこのあんた!」
奏多「···エイデンさん アイツこっちみてません?」
エイデン「奇遇だな 俺もそう思う」
??「シルビアのアンタだよ!」
奏多「···何ですか?」
??「アンタのその車に貼ってあるステッカー···[Han's garage]本物?」
奏多「? ああ本物ですよ?」
涼子「あたしは涼子 アンタガヤルド乗りの渉って知ってるでしょ?」
奏多「?渉さん?知ってるけど?」
涼子「今すぐアイツをここに呼びなさい! リベンジマッチよ!」
奏多「ハァ?どういうこt···」
涼子「いいから呼びなさい!それとも何?私が怖いの?」
奏多「···ハー 渉さんは今遠くにいて会えないよ 代わりに俺が相手してやる」
涼子「ハァ!?なにいって」
奏多「なんだ?俺が怖いのか?」
涼子「···言ってくれるじゃない そんな車じゃ絶対に超えられない差を教えてやるわ」
奏多「···それは楽しみだね」
エイデン「おい 良いのか?ここで遊んでて」
奏多「どうせ出発は明日です 大丈夫です ついでに旅費稼ぎますから おい いくらか出す?」
涼子「···2000ドル」
奏多「上等 こっちも2000だすよ」
ギャラリー「おい!セストエレメントがまたレースやるってよ! しかも今度はHans.garageのシルビアが相手だってよ!」
ギャラリー「Hans.garageのシルビアと言えばDiablo Devilsのバイパーのガキに勝ったって奴か?」
ギャラリー「車は違うが多分そうだ! こりゃスゲーバトルになるぜ!」
???「Hans.garageのシルビア?」
ガウウウウウン ガウウウウウン
ファアアアアアアン ファアアアアアアン
ギャラリー「いいか?勝負はここを下って反対側に目印のコーンを置いている そこをターンしてもう一回登ってここに先に戻って来た方が勝ちだ 敗者は勝者に金を渡すこと 渡さなかったら顎の骨かち割ってやるからな」
涼子「了解よ」
奏多「了解」
ギャラリー「行くぞ! レディー!? GO!!!」
ガウウウウウウウウウウウン ガウウウウウウウウウウウン
ファアアアアアアアアアン ファアアアアアアアアアン
エイデン「パワーではこっちが100ps位有利だが···重量はあっちが500kgは軽い 勝ち目はあるのか?」
???「あのシルビアの奴の知り合いか?」
エイデン「ああ そうだが?」
ジャック「そうムキになるなって 俺はジャック Diablo Devilsのメンバーだ」
エイデン「エイデンだ Diablo Devilsって言うと 奏多がブッ潰したっていう?」
ジャック「ああ 元々Kさんの兄貴が立ち上げたチームだったんだが 今はKさんを筆頭に癖の強い連中が集まってる みんなアメリカンな大排気量主義だw」
エイデン「K&Kの兄貴?初耳だな? 兄貴さんは何処に?」
ジャック「天国···地獄かもなw」
エイデン「そりゃ悪いことを聞いたな」
ジャック「気にしてねーよ 昔の事だ ちなみにKさんのバイパーは元々兄さんの車でKさんは元々コルベットに乗ってたんだぜ?」
エイデン「ヘー?知らなかった そういえば何でK&Kは日本で暮らしてるんだ? アメリカにチームまで持ってるのに」
ジャック「さあ? なんでもGT-Rより速い旧型のZを追ってるらしいぜ?」
エイデン「フーン?」
ガウウウウウウウウウウウン
奏多「懐かしい 全然変わってないや RBシルビアの性能を試すには丁度いいかもな!」
涼子「下りなら軽いセストエレメントが有利に決まってる!一気に突き放す!」
奏多「速えー車だな こっちもマジで行かないとマズイかも」
キュルルルル ドン!
涼子「溝落とし!?その車で!?」
奏多「ちっくしょう!フロントが重いな!溝落とし安定しないや!」
涼子「Hans.garageの奴ってホントRB26が好きよね!! 大ッ嫌い!」
ガウウウウウウウウウウウン
奏多「この橋を渡ったらとりあえず上り そのあとターンでまた下り···最後は上る だったら!」
折り返し地点
ギャラリー「来たぞ!セストエレメントが前だ!」
ファアアアアアアン
ガウウウウウウウン
キャアアアアア
ギャラリー「ぬお!?アブねえ!」
かなり広くラインをとったセストエレメント
奏多「····!」
キャアアアアア
対してキレイなライン取りでスピードをなるべく維持したまま折り返し地点を抜けるシルビア
一本のコーナーで差が少し詰まったのは言うまでも無いだろう
ギャラリー「なんか···スゲェ···」
ギャラリー「何て言うか···ターンだけなのに凄く上手い···」
ギャラリー「ワンチャンあるぞ···シルビアがセストエレメントを食っちまうかもしれねえ!」
ガウウウウウウウン ガウウウウウウウン
奏多「やっぱり詰めが甘いな··· 橋から先で充分行ける!」
涼子「気のせいかしら···少し差が詰まったような···」
ファアアアアアアン ファアアアアアアン
橋を渡ってすぐの右コーナー
グリップで侵入するセストエレメントは減速の為ブレーキを踏む
涼子「····ッ!?」
対してシルビアはドリフトをしながら侵入してきた
侵入スピードは高い為コーナー入り口でオーバーテイクに成功する
更に高いスピードも横を向いているため次第に減速する
涼子からみれば常識も自分のテクニックも知っている次元から一歩飛び出した技術だが奏多からすれば
曲芸ドリフトは朝飯前 自身のシルビアとGT-R そしてNSXから鍛えられた技術は普通の走り屋の常識等当の昔に越えていた
レース後ゴール地点
エイデン「おい奏多wあのドリフトどうやったんだよw」
奏多「あれはドリフトっていうかスピンをコントロールする技術なんでドリフトとはまた違うんですよ」
エイデン「なんだかよくわからんな···」
涼子「····」
奏多「あっそうだ!一つ聞いておきたい事があるんだけど」
涼子「···なによ?」
奏多「Diablo Devilsのメンバーを探してるんだけど···」
涼子「···今日ギャラリーしに来てるはずよ 帰るわ」
ファアアン ファアアアアアアアアアアンン
奏多「なんか嫌な奴··· エイデンさん俺達も···」
ジャック「よう?久しぶりだな?」
奏多「···!チャレンジャーの男!」
ジャック「耐久レース見てたぜ?なんでレースカーでドリフトが出来るんだよw」
奏多「ギャラリーに来てたのがアンタで良かった 話があるんですよ」
ジャック「?それは構わないが」
奏多「それじゃ 行きましょう」
ガウウウウウウウン
ギャラリー「耐久レース···? もしかしてC1トライアルか!?」
ギャラリー「じゃあ今の甲木奏多か!? 何でこんな所に!?」
蒼のガレージ
ジャック「フーン?んでその仲間を探しにねー?」
奏多「なにか情報ありません?」
ジャック「うーん···その手の話なら詳しい奴に聞いた方が良いかもな」
奏多「詳しい人がいるんですか?」
ジャック「ベンチュラベイに一人な トラビスっていうんだ ベンチュラベイならそう遠くないし行ってみたらどうだ?」
奏多「ありがとうございます!」
ジャック「ああそれと 今度俺が日本に行くからその時はまたバトルしようぜ?」
奏多「首都高でも峠でも負けませんよ?」
ジャック「約束だからな? それじゃ 俺は帰るよ GOOD LUCK!」
奏多「ありがとうございました!」
ブロロロロロロロ ブロロロロロロロ
奏多「行き先は決まりましたね?」
エイデン「ベンチュラベイ ストリートレーサーの激戦区か···面白そうだ!」
ベンチュラベイはストリートレーサーの集まる西海岸の中でも盛り上がっている地区の一つである
夕方~明け方にかけてレーサー達は名声を求め暴走する
ごく希にプロレーサーが街に現れる事もある プロが打ち立てた記録を破ろうと奮闘するものもいる
この街の最大の特徴はそのマシンにある フェアヘブンでは400~800psが平均の馬力なのに対しこの街のマシンは900~1000psのマシンが当たり前のように走っている
警察の捜査も甘くレーサー天国たる由縁でもある
その街の一角に奏多のシルビアは来ていた
ブウウウウウウウウン
ファアアアアアアアン
奏多「フェラーリ ポルシェにランボルギーニ フェアヘブンでもここまでの数は見れませんよ!」
エイデン「それは良いんだが トラビスって奴 どんな奴なのか知ってるのか?」
奏多「知りません」
エイデン「住んでる場所は?」
奏多「知りません」
エイデン「乗ってる車は?」
奏多「知りません」
エイデン「んじゃどうするんだよ!?知らない街で立ち往生か!?」
奏多「あてが無いとはってません 赤城兄弟がここに居ます 連絡すれば多分なんとかなるかと」
エイデン「電話番号知ってるのか!?」
奏多「ええ!これでバッチリ」
この電話番号は現在使われておりません
奏多「····」
エイデン「八方塞がりだな」
??「いよう?お兄さん方?いい車じゃないか?バトルしない?」
そこにはBMW M2に乗った若い男が居た
奏多「アンタは?」
スパイク「俺はスパイク!この街で一番速いレーサーを育てた男だ!」
奏多「フーン?そのレーサーと勝負がしたいね」
スパイク「まあそう言うなよ な?ちょっとバトルしてくれよ?」
エイデン「良いじゃねーか?」
奏多「エイデンさん··時間無いのわかってます?」
スパイク「頼むよ?な?」
奏多「・・ルートはナビに出るルートで頼む」
スパイク「そうこなくっちゃ!」
スパイク「ルート設定完了だ!」
奏多「OK 行くぞ?」
ガウウウウン ガウウウウン ガウウウウン
スパイク「レディー····ゴー!!!」
ガウウウウウウウウウウウウウン ガウウウウウウウウウウウウウン
グワアアアアアアアアアアアンン グワアアアアアアアアアアアンン
奏多「···!思ったより使える道が狭い!」
フェアヘブンに比べベンチュラの道は一般車が多く夜なので視界も悪い
感覚的に狭いと感じるのも無理は無かった
スパイク「ほーう?地元でもないのに踏むじゃん?こりゃスゲーわ」
奏多「クッ···厳しい!」
ガウウウウウウウウウウウウウン
奏多「開けた!直角コーナーなら!」
キャアアアアアアア
スパイク「何!?ここをドリフトで曲がる気か!?」
ガウウウウンガウウウウンガウウウウウウウウウウウウウン
スパイク「おいおいマジかよ!?曲がりやがったぜ!このコーナーは入りくんでてしかもブラインドコーナーだぜ!?一般車もいるかもしれねえのになんて度胸だ!?流石に舐めてたな···」
ゴール地点
スパイク「いやーすげえなお前!鳥肌モンだったぜ!」
奏多「ありがとう でもアンタちゃんと踏んでたか?」
スパイク「ついていくので精一杯だって!来いよ 紹介したい奴がいる」
奏多「えーっと···俺時間が···」
スパイク「良いから良いから! C1トライアルのチャンピオンと聞いたらアイツも度肝抜かれるぜ!」
奏多「知ってたんだ?」
スパイク「どの口が言うかわかるに決まってるだろ?」
奏多(まあ良いかトラビスってやつの手がかりもあるかもしれないし)
エイデン「案内してくれ」
スパイク「車に乗りな?すぐそこだよ」
バーンウッドガレージ
スパイク「おい!いるか?紹介してえ奴が居るんだよ!」
???「なんだよ?またレーサー引っかけて来たのか?」
スパイク「こんどのはスゲーぞ?Reaper Driveの奏多だよ!」
???「ん?そうか?こいつが? エイミーは元気にしてるかい?」
奏多「はあ···まあ元気にやってますよ このシルビアもエイミーさんが廃車から造ったんですよ?」
トラビス「そうか!? 良かったぜ トラビスだ 宜しく」
奏多「アンタがトラビスさん!?」
トラビス「おいおい冷たいなwC1トライアルにも出てたんだぜ?」
スパイク「出たは良いけど予選アタック中に壊れちまったんだ」
トラビス「その時のコイツのマヌケ面見せてやりたかったぜw」
スパイク「おいやめろよ」
奏多「会えて良かった! 相談したいことがあって···」
トラビス「ん?OKだ」
奏多はここに来るまでのいきさつを話した
トラビス「なるほどな···そして今は消えた仲間を探している訳だ?」
エイデン「で この電話番号に心辺りはないか?」
トラビス「結論から言えばある ロサンゼルスの方のCEO car LoVEの奴らだ 年中無休で殺しやってるような奴だ 関わるのはあまりにも危険過ぎる」
奏多「でも···俺は渉さんを探さないと···」
トラビス「どうしてもいくって言うならここで少し車を弄らせてくれ っていっても装甲の追加にCPU書き換え 防弾シートをガラスに貼る位だがな」
奏多「そんなに危険なんですか····」
トラビス「しっかり防弾チョッキは着込め 護身用の銃位は常に携帯しろ 警察を信用するな わかったな?」
奏多「はっ···はい」
トラビス「おーいマヌ 手伝ってくれ!」
マヌ「はいはい」
数日後
トラビス「よしとりあえずOKだ CPUは街走り用に変えといた 基本的には前と同じだが装甲のせいで少し重く感じるかもな」
マヌ「ドリフトが得意なんだろ? 今度教えてくれよ?」
スパイク「いいか?あそこは危険だからな?気を付けろよ」
奏多「ご忠告ドーモ 大丈夫だよ」
トラビス「じゃあな生きて帰れたらまた寄れよ?」
エイデン「ハハハ···シャレにならねーよ···
奏多「ありがとうございました!ではまた!」
ガウウン ガウウウウウウウウン
???「···今の知り合いか?」
トラビス「なんだ帰ってたのか? C1トライアルのチャンピオンの一人 甲木奏多だよ」
スパイク「お前いつの間に?」
???「ついさっき帰ってきた···」
スパイク「なあアイツとコイツ どっちが速いと思う?」
トラビス「さあな?勝負は時の運だしな」
???「···日本···か」
ガウン ガウン ガウン
奏多「ここが···ロサンゼルス···」
エイデン「ようやくだな···ここに渉がいると思って間違いないな?」
奏多「渉さん···見つけたら···」
エイデン「まあまあ落ち着け···とりあえず泊まれるホテルは確保してある 荷物置いたら好きなとこ走ってこいよ」
奏多「···まあそうしますか···新しいシルビアも試して見たいし」
数時間後
ガウウウウウン ガウウウウウン ガウウウウウン
奏多(盛り上がってるな···日本じゃ明らかに違法チューンなのが1 2 3···まだいるな)
外人「おいチビ?」
奏多(チビって言うなお前らがおかしいんだよもっとグローバルな目で見ろよ)
外人「ホー?速そうなシルビアだが お前にはもったいないなw」
一同「ギャハハハハww」
奏多「···俺にはもったいないかも知れねーがお前に渡すと7秒でスクラップになりそうだな?」
一同「良いぞ!もっとやれ!」
外人「お前 俺とやる気か?
奏多「ご覧の通りおれは喧嘩出来ないんで···レースで決着つけないか?」
外人「へー腕に自信があるらしいな?」
奏多「俺も出るとこ出れば有名人でね」
外人「やる気か?フェラーリだぞ?」
奏多「お前ならヴェイロンでも勝てる」
外人「···野郎共!道を開けろ!」
奏多(意外にチョロいな··顔厳ついのに···)
もう打ち切りにしても構いません...
俺も続けるんで続き早く書いて下さいよ? もう追い付いちゃいますよーw
ありがとうございます
奏多「フェラーリか···488GTBは確か3.9LV8ツインターボで670ps···いい勝負だな···」
外人「見たところただのシルビアだが····エンジンが直6だと?何年前の流行りだ? 日本の直6と言えばどうせRB26か2JZだが···20年前の設計のエンジンに最新のV8が負ける訳にはいかねーよな···面倒だぜ」
ガウウウンガウウウン
ファアアアアンファアアアアン
ギャラリー「レディ?ゴー!!!!」
ガウウウン ガウウウウウウウウウウウウウン ガウウウウウウウウウウウウウン
ファアアアアン ファアアアアアアアアアアアアアンファアアアアアアアアアアアアアン
外人「ハハ!加速ではMRにFRが勝てるわけねーだろ!」
奏多「加速で前に出ただけであんなに喜ぶとは···大したレーサーだこと」
キャアアアアアア ガウウウンガウウウウウウウウウウウウウン
奏多「この先の幅の広いS字で行くか···な?」
ファアアアアアアアアアアアアアン
外人「なんだ?全然追い付いて来ねーな?」
ガウウウウウウウウウウウウウン
ファアアアアアアアアアアアアアン
奏多「····ここ!」
奏多のシルビアがブレーキングで差を詰め外からフェラーリに被せた
外人「ぬお!?コイツ!?」
アウトから被せたが抜けきれない だがS字のコーナーである 当然インとアウトが入れ替わる
奏多「よし!抜いた!」
カウンターアタックが決まり前にでたシルビア
そのまま差が詰まる事はなく勝負は序盤にしてあっさりと決した
レース後
外人「なあ···一つ聞いていいか?」
奏多「はい?」
外人「なんでなんのためらいもなく左側に並べたんだ?普通一般車なんかがいるからならべねーだろ?」
奏多「ええと···出身が日本なんで左側はあっちでは一般車が来ない方なんです だからかな?」
外人「····」
奏多「···そうだこっちからも一つ聞きたいんですけど」
外人「あ?」
奏多「こんな人みてませんか?」
奏多は渉の写真を取り出した
外人「···知らねーな」
奏多「そうですか ありがとうございました」
キュルルル ガウウウン ガウウウウウウウウウウウウウン
外人「····負けたよ」
ガウウウウウウウウウウウウウン
奏多「渉さん···一体どこにいるんですか?」
ガウウウウウウウウウウウウウン
対抗車線から来たガヤルド
見覚えのあるマシンに聞き覚えのある特有のエンジンサウンド
奏多「····ーッ!!まさか!?」
素早くターンして 後を追う
見覚えのあるガヤルドには[Hans.garage]のステッカーが貼ってあった
紛れもない 柿本渉のランボルギーニガヤルドだった···
奏多「間違いない! 渉さんのガヤルド! 運転してるのは···?」
ガウウウウウウウン ガウウウウウウウン
奏多「速い! くっそ待ちやがれ!!!」
その差は200mほど だがガヤルドは速い
奏多がここに来て初めてとも言える強敵だった
奏多の走りにも変化が生まれていた
グリップで速く走る走り方でもドリフトで速く走る走り方でもなく
コーナーへの侵入スピードを許容できるギリギリより少しオーバーする程度の突っ込みをし
コーナーでリアを流すというものになっていた
当然グリップでしっかり立ち上がった方が速いのだが今の奏多にはそれが出来なかった
バトルで溝の無くなったタイヤ 渉を見つけた事への興奮や怒り
とてもマトモとは思えない程の挙動を見せるシルビア
ガヤルドの運転手である渉も後ろからの殺気にも似た闘志に気づいたようだった
渉「なんだあの車!?」
奏多の瞳はまっすぐ前のガヤルドを(殺意まみれの目ではあるが)見つめていた
渉「シルビア乗りの馬鹿速いドライバー···まさか!?」
ガヤルドがペースを落とす
シルビアもペースを落とし停車した
ガヤルドのドアが開き渉がシルビアへ駆け寄る
渉「おい!奏多! 奏多なのか···?」
奏多(渉さん···)
言いたいことはたくさんあったしやりたいこともたくさんあった
聞きたいこともあった でも彼を見つけたらやると決めた事が一つあった
ドアを開け渉の前に立つ 全然変わらない
まっすぐ彼を見つめ
バキッ!!
力任せに顔をぶん殴った
相当な威力だったらしく思わず渉がよろけた
渉「奏····多?」
奏多「···なんで···なんで一人でこっちに行くんだよ!自分のなかの事だけ考えろ!?アンタは仲間じゃ無いのかよ!?」
渉「あ···あれはお前達を巻き込みたく···」
奏多「仲間なんだろ!?少しは信頼してくれよ!」
渉「···すまない あの時は自己中心的になっていてつい···」
奏多「···ハァ···とりあえず無事で良かった··· ここに来たのは渉さんを殴りにきたのが目的じゃない 渉さんの手伝いに来たんだ エイデンさん連れて」
渉「えっ?」
Wikiでは書かないんですか?
時期シーズンで検討しております
86sと同じで次期で書こうかな···と
まあこれがいつ終わるかは····お察し下さい
渉「このシルビアはお前のか? もしかしてガレージにあった廃車の?」
奏多「ええ RB26シルビアですよ 出来るだけ扱いやすくなってます」
渉「いつものシルビアかGT-Rで来れば良かったじゃないか? パワーは絶対上だし扱い慣れてるだろ?」
奏多「渉さんの居る場所がわかればそうしたんですがね?」
渉「それは悪かったな····でもお前そんなこと気にするっけか?」
奏多「·······」
渉「?奏多?」
奏多「···あっはい?」
渉(···何か隠してるな····?)
奏多「·······」
渉「とりあえずホテルに行かないか?」
奏多「エイデンさん連れてこないと···あれ?チェックアウト出来ないような····」
渉「キャンセルは料金払えば大体出来るんじゃないか?」
奏多「だと良いですけどね····」
数十分後
奏多「意外と出来ましたね」
エイデン「驚くほどあっさりな」
渉「いやいや火器多すぎだろ····」
奏多「ですよね?シルビアに積めるギリギリまで持って来てるんですよ? おかげで予備パーツが入らないし」
エイデン「どうせ壊れないしベンチュラで直して貰えたんだから良いじゃないか?」
奏多「ここはアメリカですよ?日本車の人気は相当あってパーツは日本の数倍で取引されてるそうですよ 賞金で直せなかったらどうするんですか····」
渉「なんか驚くほど冷静になったな····」
エイデン「さて ホテルに行こうじゃないか」
車に乗り込んだ渉は自分の顔を見て気づいた
渉「···鼻にアザが出来てる····」
某所 ホテル
奏多「いやホントッにすいません!!」
渉「良いよw俺が悪いんだし ついたぞー」
奏多「呆れる位立派なホテルですな」
渉「とりあえずビデオオプションでも観ようぜ」
奏多「あ!そういやこれみてなかったです」
渉「お?そうか 俺もこれ観てなかったから観よう」
奏多「アメリカ特集ですね···レディースフォーミュラドリフト?」
ピッ
ナレーター「自由の国 アメリカ ドリフトが盛んなこの国で新たなカテゴリーのドリフトが今人気との情報を聞きつけV-OPTスタッフはアメリカへ向かった という訳で!今回はレディースフォーミュラドリフトシリーズで活躍中の茂木なつきちゃんに密着ゥゥ!」
のむけん「つー訳でアメリカに来とるとですよ! うーんアメリカンな香りがするばい!」
ナレーター「フォーミュラドリフトラウンド4の開催地のサーキット 女性とは思えないほどのアクションと角度でドリフトするマシンそのなかに彼女はいた」
のむけん「あの人じゃなかですか? おーいちょっと!」
???「はーい!皆さんお待たせしました!私が····」
ブツッ
渉「ファッ あれ?」
奏多「故障···したみたいですね····」
渉「えぇ...(困惑)じゃあ明日モノホン会いに行くか」
奏多「····え? あ···はい!」
渉「じゃ明日行くかw」