行動判定とは、PCの行動が成功したか失敗したかを決めるためのルールです。
シナリオによって行動判定が必要と決められた行動、あるいは、GMが「その行動は、成功するか失敗するか分からない」と判断した行動を行う場合、PCは行動判定を行います。
行動判定の基本は、ライブラリーの上から1枚目と2枚目のカードを公開して、2つのカードの「マナ総量」を比較することです。
行動判定-1 行動判定の流れ
1.行動判定の種類・難易度の決定
GMが、行動判定の種類と難易度を宣言。
判定の種類は、白判定、青判定、黒判定、赤判定、緑判定、色のない判定の6つ。
難易度は、0~8の数。
(シナリオ上必要なら、-1以下、9以上でも可。)
数字が大きいほど、行動判定の難易度が上がります。
2.目標値の決定
行動判定を行うPCは、自分のライブラリーの上から1枚目と2枚目のカードを公開。
ライブラリーの上から1枚目のカードの「マナ総量」に、1.で決めた難易度を足します。
これが、目標値。
なお、PLがライブラリーの上にあるカードが何かを知っている場合、ライブラリー上のカードを公開する前に、PLに知られているカードをすべて追放します。
追放されたカードは、行動判定終了時(5.の後)にライブラリーの上に同じ順番で戻します。
3.達成値の決定
ライブラリーの上から2枚目カードの「マナ総量」に「色の修正」を足します。
これが、達成値。
「色の修正」は「上から2枚目のカードが、判定の名前と同じ色なら+5、その友好色なら+3、それ以外なら+0」。
ただし、色のない判定の場合は、上から2枚目のカードの色に関わらず色の修正は0。
また、大事な点として、基本土地タイプを持つ土地は、基本土地タイプに対応する色としてあつかいます。
例えば、《森》は本来無色ですが、緑としてあつかいます。
また、達成値が決定されたタイミングで、1ターン1回だけ行動判定ブーストを試みることができます。
ライブラリー上6枚のカードを追放し、無色の枚数分、達成値が上がります。
行動判定ブーストについて、詳しくは、行動判定-3 行動判定ブースト
4.判定結果の決定
達成値が目標値以上なら、行動判定は成功。
未満なら失敗。
つまり――
成功:目標値<=達成値
失敗:目標値>達成値
5.公開したカードをライブラリーの一番下へ
公開した2枚のカードを、無作為の順番で、ライブラリーの一番下に置きます。
行動判定の例
PCが「重い石の扉を、腕力でこじ開ける」ことを試みた場合。
まず、GMが、この判定は緑判定[難易度:2]であると決めます(1.)。
次に、判定を行うPCが、自分のライブラリーの上から1枚目のカードを公開。
それが、《エルフの神秘家》なら、マナ総量は1。
それに難易度の2を足して、「マナ総量1+難易度2=3」が目標値になります(2.)。
判定を行うPCは、ライブラリーの上から2枚目のカードを公開します。
2枚目に公開したカードが《ルーン爪の熊》なら、マナ総量は2。
《ルーン爪の熊》は緑なので、緑判定では+5の色の修正を受けられます。
「マナ総量2+色の修正5=7」が達成値です(3.)
達成値7は、目標値3以上なので、判定は成功です(4.)。
最後に、《エルフの神秘家》と《ルーン爪の熊》を裏向けてシャッフルした後、ライブラリーの一番下に置きましょう(5.)。
行動判定-2 行動判定の種類
行動判定は、基本的に、以下の6種類です。
6種類の判定で、具体的に何が出来るかは、シナリオ次第。
シナリオで決められていない場合は、GMが決めます。
白判定
白いデッキが得意として、対抗色(赤黒)が苦手とします。
集団を統率できるか? 味方を攻撃からかばえるか? 傷を手当て出来るか? 誘惑をはねのけられるか? 社会的地位があるか?
例:怪我人のNPCに応急処置ができるか? 情報収取の際、偉い人とコネクションがあるか?
青判定
青いデッキが得意として、対抗色(緑赤)が苦手とします。
知っているか? 推理・観察を上手くできるか? 道具を作ったり、使ったりできるか?
例:古代魔法語を読めるか?
黒判定
黒いデッキが得意として、対抗色(白緑)が苦手とします。
盗賊の技術をうまく使えるか?
法律やモラルを無視して、思い切った行動がとれるか?
自らの意志をブレずに持ち続けることが出来るか?
例: 針金で、カギを開けられるか?
赤判定
赤いデッキが得意として、対抗色(白青)が苦手とします。
モノを壊せるか? 素早く判断できるか?
感情を煽ったり、燃やしたりできるか?
例:一瞬前に、相手の奇襲に気付けるか?
短距離走など、瞬発力のいる運動をうまくできるか? ピンチの場面で良い考えが思いつくか?
緑判定
緑のデッキが得意として、対抗色(青黒)が苦手とします。
運動、肉体を使う行動を上手く出来るか?
感覚を研ぎ澄まして何か(匂い、音含む)を感じられるか?
自然治癒力、回復力を発揮できるか?
例:道をふさぐ岩を動かせるか?
食べてしまった毒に耐えることができるか?
色のない判定
得意なデッキも、不得意なデッキもありません。
完全に運まかせの行動判定です。
偶然、都合の良いことが起こるか?
例:コインの裏表を当てられるか?
行動判定-3 行動判定ブースト
1ターンに1回のみ「行動判定ブースト」で、1つの行動判定の達成値にプラス修正を加えることができます。
ライブラリーの上から6枚のカードを、ターン終了時まで追放。
追放された「無色カードの枚数」だけ、その判定の達成値にプラスします。
例えば、「森」「山」「ルーン爪の熊(1)(緑)」「変異エルドラージ(欠色)」「甲鱗のワーム(7)(緑)」「ラノワールのエルフ(緑)」の6枚が追放された場合。
無色は「森」と「山」と「変異エルドラージ」の3枚。
なので、達成値に+3できます。
具体的な手順は以下の通り。
1.行動判定ブーストを宣言
宣言のタイミングは、目標値と達成値が決定した後。
ライブラリーが6枚未満の時、行動判定ブーストの宣言は行えません。
2.ライブラリーの上から6枚のカードを追放
行動判定ブーストで追放したカードは、忘れないように「ライブラリーの上に横向きで置いておく」と良いでしょう。
3.「無色のカード」の数だけ達成値にプラス
追放された「無色のカード」の枚数だけ、達成値にプラス。
通常のルール通り「基本土地タイプを持つ土地も無色」です。
達成値を決めるときと違い、色あつかいにはしません。
4.判定結果を確定
通常の行動判定の手順通りです。
5.ターン終了時に6枚のカードをライブラリーの下へ
追放した6枚のカードは、ターン終了時にランダムな順番でライブラリーの一番下に戻します。
ここでいう「ターン終了時」とは、終了フェイズ中のクリンナップステップのことです。
「ブーストに使ったカードがライブラリーに戻る」というイベントは、スタックには乗らずにすぐに行われます。
行動判定ブーストによって追放されたカードは、シーンあるいはターン終了時まで、いかなる方法でも追放領域を離れません。
行動判定-4 行動判定の詳細
達成値のカードが2色以上なら、無作為にどちらかの色
達成値を決めるとき、2色以上のカードが公開された場合、どちらの色としてあつかうかは、無作為に決めます。
例:身体の緑判定で、達成値を決めるために公開したカードが、緑と青のカードだった場合。
緑としてあつかうか、青としてあつかうか、コイントスなどでランダムに決めます。
緑あつかいになれば、達成値の計算時に+5修正を得られます。
青あつかいなら、+0修正しか得られません。
基本的に、行動判定はソーサリータイミングに行う
行動判定は、基本的にソーサリータイミングに行います。
ソーサリータイミングとは、行動判定を行うPL側のターンであり、なおかつ、スタックが空のタイミング。要は、クリーチャー呪文や、ソーサリー呪文が唱えられるタイミングです。
ただし、特に指定されていれば、インスタントタイミングで行動判定を行うこともあります。
目安として、一瞬から6秒くらいの時間で出来る行動の行動判定は、ソーサリータイミング。7秒以上かかる行動の行動判定は、インスタントタイミングで行います。
ただし、その判定をソーサリータイミングで行うか、インスタントタイミングで行うかは、最終的に、シナリオおよびGMが決めます。
行動判定中に呪文を唱える、能力を起動することは出来ない
行動判定が始まってから、行動判定の結果起こったことが終わるまでは、いかなるプレイヤーも、優先権を得ません。
例1.目標値の決定と達成値の決定の間に、インスタント呪文等を割り込ませることはできません。
例2.行動判定の結果、敵に見つかってしまった場合、判定の結果が出てから敵に見つかるまでの間に、呪文や能力でその敵を除去することは出来ません。
原則・同じターンに行動判定のやり直し不可
原則、1人のPCが、同じターンに、まったく同じ行動判定を2回以上行うことはできません。
ただし、何らかの原因で難易度等が変わるなどして、まったく同じ判定ではなくなった場合は、再挑戦可能。
また、同じ名前の回復アイテムを複数回使う場合等は「同じ判定」とはみなされません。
ライブラリーが2枚未満ならば、行動判定不可
行動判定を行うPCのライブラリーが2枚未満の場合、そのPCは行動判定を行うことができません。
2枚未満かどうかを確認するタイミングは、行動判定-1 行動判定の流れの2.で、PLに知られているカードが追放された後の時点。
この時点で、ライブラリーが2枚未満だったPCは、行動判定の処理を中断します。
追放されているPLに知られているカードがあれば、それを元の順番でライブラリーの上に戻し、最初から行動判定をしなかったというあつかいになります。
PLに結果が分かっているなら、行動判定不可
PLが判定の結果が分かっている、推測できる場合、そのPLのPCは行動判定を行うことができません。
例えば、ライブラリーにクリティカル・カードを含まない《森》だけがある場合、目標値は必ず「0+難易度」となり、達成値は必ず「0+緑の色の修正」となります。
そのことをPLが知っていれば、難易度が判明した時点で、判定が成功するか失敗するかが分かります。
このような場合は、そのPLは、判定を行うことが出来ません。
(そのような場合に備えて、長期戦になるシナリオでは、ライブラリーを回復する手段を入れておくことがお勧めです。)