いんく
ink_miiverse
2018/01/05 (金) 16:58:55
藤遊×ナイヤガラ
僕の体に「ナニカ」がいると母に教えられたのは、僕が15の時だった。
母はそれを「呪い」だと語った。
僕の家に代々伝わる、「色欲の呪い」だと。
母いわく、それは「男女問わず人を好きになってしまう」呪いらしい。
素晴らしいことだと僕は思ったが、どうやらそれはそんな程度ものじゃなかった。
──誰であろうと 好きになり、誰であろうと好かれる──
──呪いが発動している間は自我を保てなくなり、あらゆるものを魅了する力を振り撒く──
恐ろしい能力だった。
いつ発動するのかすらもわからない、邪悪なものだった。
僕は何度も理性と本能の間で揺らいだ。
心の中に住まう「
──初めてその力を使ったのは、クラスメートだった。
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凍結されています。
それは一瞬だった。
笑ってしまうほどに簡単だった。
しかし僕はあふれでる情欲に耐えられず、そのクラスメート以外の全員も貪った。
でもその時の僕にはなんのデメリットにもならず、それは他の人たちも同じだった。
素晴らしい力だった。
だがこれは「呪い」なのだと実感した。
悪魔に心を捧げているようだと、比喩でもなんでもなくそう感じた。
それから数年が過ぎて成長して。
僕はその時もなお、呪いに苦しんでいたが、ある程度抑制ができるようになってきていた。
.
……だからこそ、油断した。
.
──いんく。
彼女を魅了しかけていた。
こんなことは久しぶりだった。
家の近所だったり、家の中で発症したなら、いつものように 家の中で引きこもってなんとかできた。
しかし今は外出先。
家に帰ることも、引きこもることもできない。
咄嗟に僕が彼女を突き飛ばしていなかったら、彼女は我にかえることもなく、魅了されていただろう。
彼女に引かれたと考えると少し悲しいが、僕の毒牙にかからなかったので良しとしよう。
だが──ナイヤガラ。
彼はとても優しい男だ。
急に様子の変わった僕を心配してくれた。
だからこそ──ダメだった。
彼は僕の体に触れた。
話しかけた。
その瞬間、彼は僕に「魅了」され、僕もまた彼の虜になった。
.
.
──ナイヤガラ。
──あぁ、ナイヤガラ。
なんといい響きだろう。
美しい。
彼のその全てに恋をした。
.
──あぁ、あぁ。
僕の手で彼をめちゃくちゃにしてやりたい!
どす黒い僕の「闇」が目を覚ます。
その、細く柔らかそうな足を、腕を、僕が、僕が。
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歪んだ笑みを浮かべる僕を、目に光のないナイヤガラが見つめていた。
ごめん……無理
えっちぃの書きたくなったので隔離所行ってきます