それから数年が過ぎて成長して。
僕はその時もなお、呪いに苦しんでいたが、ある程度抑制ができるようになってきていた。
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……だからこそ、油断した。
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──いんく。
彼女を魅了しかけていた。
こんなことは久しぶりだった。
家の近所だったり、家の中で発症したなら、いつものように 家の中で引きこもってなんとかできた。
しかし今は外出先。
家に帰ることも、引きこもることもできない。
咄嗟に僕が彼女を突き飛ばしていなかったら、彼女は我にかえることもなく、魅了されていただろう。
彼女に引かれたと考えると少し悲しいが、僕の毒牙にかからなかったので良しとしよう。
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凍結されています。