隋（ずい）は、589年～618年のたったの29年間しか続きませんでした。
煬帝（ようだい）のことを覚えているでしょうか。
詳しくは、「聖徳太子がめざした政治」をご覧ください。
さて、隋（ずい）は、7世紀の初頭、煬帝（ようだい）が高句麗（こうくり）の遠征に失敗し、滅びてしまいます。そして、できた国が唐（とう）。この唐（とう）は、618年～907年の289年間続きました。
この唐（とう）の支配のしくみは、
・律令（りつりょう）という法律を整えました。
・戸籍（こせき）に登録した人々に土地を与えるかわりに、税の負担や兵役を行うことを義務付けました。
こうすることによって、大帝国を築いた唐（とう）は、西は、395年から1453年まで続いたビザンツ帝国の領域のあたりまで勢力を伸ばしたのです。広大な土地を統制した唐（とう）なのです。
7世紀の中ごろになると、唐（とう）は、対立していた高句麗（こうくり）を攻撃したことで、隣国であった百済（くだら）や新羅（しらぎ）でも緊張が高まりました。そして、唐（とう）と新羅（しらぎ）によって百済（くだら）は滅ぼされてしまいます。このとき、百済（くだら）は、日本に助けを求め、大軍を送り込みます。しかし、新羅（しらぎ）と唐（とう）の連合軍に破れてしまいました。これら一連の争いが「白村江（はくそんこう）の戦い（663年）」です。高句麗（こうくり）は、668年に滅亡し、渤海（ぼっかい）が出来上がりました。そして、朝鮮半島は、結局、新羅（しらぎ）が676年に統一され、935年まで続いていきます。
この争いから中大兄皇子（なかのおおえのおうじ）は、唐（とう）と新羅（しらぎ）からの攻撃の防衛拠点は、大宰府（だざいふ）なので、ここを守るために食料倉庫も備えた大野城（おおのじょう）、前面に水をたくわえた水城（みずき）、西日本の各地には、山城（やましろ）を築いたのです。ちなみに、白村江（はくそんこう）の戦い（663年）の敗北のあと、唐（とう）や新羅（しらぎ）からの侵攻の可能性を危惧したため、海防のために九州北部に兵が置かれたのです。彼らを防人（さきもり）といいます。
そのころ日本列島では、蘇我氏（そがし）の独裁的な政治に不満が高まっていたのです。
蹴鞠（けまり）の会で、中大兄皇子（なかのおうえのおうじ）と中臣鎌足（なかとみのかまたり）が知り合います。蘇我氏（そがし）の独裁的な政治に不満を抱いてた二人は意気投合し、豪族の勢力を抑制し、天皇を中心とした政治を行うために打倒蘇我氏（そがし）を企（くわだ）てます。
親子である蘇我蝦夷（そがのえみし）と蘇我入鹿（そがのいるか）を中大兄皇子（なかのおうえのおうじ）と中臣鎌足（なかとみのかまたり）らが倒します。
その後、帰国した留学生や中臣鎌足（なかとみのかまたり）らと共に中大兄皇子（なかのおうえのおうじ）は、新しい政治のしくみをつくる改革をはじめたのです。その政治のしくみの中心は、
・それまで豪族が支配していた土地と人々を、公地（こうち）・公民（こうみん）として国家が直接支配する。
・朝廷の組織を整え、権力の集中をめざす。（天皇を中心とした国づくり）
いわゆる唐にならった国づくりをめざした中大兄皇子（なかのおうえのおうじ）なのです。
日本ではじめて「大化（たいか）」という年号が使われていたとされているため、この政治改革を「大化の改新（645年のできごと）」と呼んでいるのです。
646年に出された改新の詔（みことのり）の内容は、
１．皇室の私有地や私有民、および、豪族の私有地や私有民を廃止する。（公地・公民）
２．初めて都城（とじょう）の制度を定め、国司（こくし）や郡司（ぐんじ）などを置くことで行政区画を設けました。
３．初めて戸籍と計帳（けいちょう：課税台帳）を作成し、班田収授法（はんでんしゅうじゅのほう）を定めました。
４．労役中心の税を改め、与えた田の面積に応じた税をとる。
これらは、日本書紀に記載されている内容です。
どうですか、独裁的な蘇我氏（そがし）の政治に対抗し、天皇を中心とした、唐の政治をお手本にした大化の政治改革。
これからどうなっていくのでしょうか。
このころの都（みやこ）は、大阪府（難波：なにわ）の難波宮（なにわのみや）に移されていました。
それまでは、飛鳥地方でしたね。そうです、奈良盆地の南部が中心でした。飛鳥文化が栄えたということを覚えていますか。
ー 系図の読み方 －
・系図は、上から下へかかれます。
・縦の位置：親子関係
・横の位置：兄弟・姉妹関係
・二重線：夫婦の関係
ちなみに…皇室内部では、異母兄弟、姉妹の結婚は許されていました。
今日は、この辺でおしまいにしましょう。次回まで、さようなら。
次回は、「律令国家をめざして」です。