『なんでも何も、また架線を壊しただろうルーキーども!
ここまでめちゃくちゃなのはアンタらが初めてだ! まったく……』
『クルージーン』から聞こえる声が俄に落ち着きを取り戻す。『状況は? 何に手を出したらこうなった? ここ一帯は無人機の巣窟だ。CDUからの忠告もあったはず。その上で何故立ち入ったかは今は尋ねないことにしておく。回収物もないなら命あるうちに撤退することを勧めるけど』
そう言いつつリゥはアンリエッタたちと機体を挟んだ反対側、『クルージーン』の左の杭剣を白化させていく。
アンリエッタに問いを投げかける最中も『クルージーン』のカメラは周囲を伺うことをやめない。リゥは過去にもあの合体巨人を相手にしたことがあった。その時に確かに灼き尽くした手応えがあった、にも関わらず同型のものの発見報告が何度も上がっている。つまり、あれは再生能力を持つということだ。
再生速度はわからないが最悪を考えるとキリがない。とにかくここを離れなければ。
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