2日間の卒業研究発表会、及び2年間のゼミナール活動、本当にお疲れ様でした。掲示板への書き込みも今回で最後となりましたので、これまでのように期限ギリギリになることなく、有終の美を飾りたいと思います。笑
いま思い返せば、少し残暑の香りがした秋口に、末廣ゼミナールの選抜説明会に参加していなければ。そして道歩く人がコートを羽織り始めていた11月のあの日に、少し珍しい問いを持ったあの応募資料をだして、先輩方がずらりと並ぶ面接会場に訪れていなければ、今日の私はもっとつまらない人生を送っていたのだろうと思います。真ん前に座っていた末廣先生から「なぜ、この映画が好きなのですか?」と問われたときに、ドキドキしながら自分の中に答えを探したことを覚えています。その後、間を開けた12月末頃に合格通知がきて、大きな教室にゼミ・メンバー全員が集まって、自己紹介とともに「はじめまして会」を行って。かと思いきや、翌年には新型コロナ・ウイルスの発生でオンライン授業に切り替わってしまって。私自身も、唯一の年上であることをネックと感じ、よほど努力しないと2年間では卒業できそうにもない残り単位数に怯えながら、就活を始める余裕があるのか悩み、正直ゼミどころじゃないだろ・・・と思いつつあった4月の幕開けでした。
授業内容もハイレベルで、それまで舞台は好きだったものの、鑑賞回数はそこまで多くなく、何より英語がかなり苦手だったこともあり、皆さんについていけるのか不安を感じる毎日でした。5月ほどからは自身の発表も始まり、他の科目や今後の人生設計で模索するなか、本当に精神的疲労で死ぬかと思ったときもありました。それでも乗り切れたのは、慣れないなかでも授業をより盛り上げ、より学びに繋げようと常に考え行動してくださった末廣先生とゼミ・リーダーの皆さん、距離を感じながらもそれぞれの持ち味を発揮し、ゼミの一員として活動してくださったメンバーひとり一人のおかげです。皆さんがいたからこそ、前期の授業は成り立ったのだと、心の底から思います。
後期から始まったミュージカル映画の分析では、レベルがさらに二段ほどアップし、卒業研究を見据えた内容を毎時要求されることになりました。何度も掲示板でも話題となっていたように、回を重ねるうちにプレゼンテーションの内容も技術も上がり続け、映画のなかでたった一曲とはいえ、きちんと分析しようとするとこんなにも難しいのかと大衝撃を受けました。そのなかで、一番はじめの映画であった『トップ・ハット』や、唯一の舞台作品『オペラ座の怪人』のコメンテーターを務めさせていただくことができたこと、そしてこれも唯一歌詞がない曲のある『巴里のアメリカ人』と、ラストを飾った『ラ・ラ・ランド』の”Audition”の発表をさせていだたけたことで、さまざまな角度から検討する力がつき、「少しは成長できたかな」と自信をつけることができました。
さて、来たる1月、先輩方の卒業研究発表会に参加させていただいた折には、そのレベルの高さに、「今までミュージカル映画ごときでヒイヒイしていた私達とは・・・?」と疑心暗鬼になりました。そして、全先輩方が仰る「後悔のないように」というメッセージに、プレッシャーを感じながら、作品選びに取り掛かることになりました。それぞれ個性のある作品を選ぶなか、以前の殊勲賞受賞作品でもある『君の名前で僕を呼んで』に取り組もうとしていた私には、ある葛藤がありました。そもそも卒業できるかギリギリの段階で、前期に履修を集中させるのか、後期に授業を集中させるのか、そもそも就活は行うのか、行うとしたらどの程度の比重を割けるのか、どちらにせよ、圧倒的に不利な状態で、卒業研究の受賞を狙うことはできるのか・・・など、決めるべきことが多くあり、何度も末廣先生や教務課、就職課で相談させていただきながらも、最終的には妥協できず、「ぜんぶ頑張る」という非常に曖昧な目標を立てることとなりました。
4年前期が始まってからは、週5の授業を取りながら、毎日就職課で相談を行い、就職説明会に参加し、ESを書き、テストを受け、合間にはバイトにも行きつつ、新しい人にも積極的に出会うなど、とにかく忙しい毎日でした。その中でミニ・レポートの提出に間に合わせることができなかったり、毎回の個人相談でとにかくアウトプットできなくてお手数をおかけしたりと、末廣先生やメンバーの皆さんには多々ご迷惑をおかけしてしまいました。その後、本論書き出しOKに向かって駆け巡るわけですが、なかなか上手く言いたいことがまとまらず、停滞してしまいました。その要でもあった中間発表において、「青春映画」ペアであるともかが、的確なコメントやアドヴァイスを贈ってくれたおかげで、1つ沼から抜け出せたのだと思います。
長くなってしまったので纏めに入ります。私は、最終的には卒業研究において、自分の納得できる内容を完成させることはできませんでした。しかし、それ以外の部分で、多くの学びを得ることができました。常に本気に論文に向き合っていたメンバーや、個性的で鋭い意見を放つメンバー、コツコツと物事を達成するメンバーなど、多岐にわたって多くの強みを持つ皆さんとともに過ごせたからこそ、卒業を諦めかけていた私がポジティブに課題に取り組み続けられたのだと思います。そして、睡眠を削ってまで私達の論文、ならびに私達の人生に向き合ってくださった末廣先生がいなかったら、全員で発表会を迎えることができなかったのだろうと思います。これまでの2年間、長いようで短かったなあと、今はしみじみと思います。末廣先生、4年ゼミの皆さん、本当にありがとうございました。次のステップに進んでも、皆さんが末廣ゼミナールのようなあたたかい環境で過ごせることを、心の底から願っています!!