法介の『ゆゆしき世界』

三周の説法 法介のほ~『法華経』その⑥ / 3

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法介 2023/09/19 (火) 10:26:19 修正

『妙法蓮華經』方便品第二には次のように法説周が説かれております。

 所以者何。諸仏世尊。唯以一大事因縁故。出現於世。舎利弗。
 云何名諸仏世尊。唯以一大事因縁故。出現於世。

所以は何ん、諸仏世尊は、唯一大事の因縁を以ての故に世に出現したもう。舎利弗、云何なるをか、諸仏世尊は唯一大事の因縁を以ての故に世に出現したもうと名くる。

仏はただ一大事の因縁を以てこの世に出現するという箇所です。

続いて「開示悟入」の四つの仏知見が説かれます。

 諸仏世尊。欲令衆生。開仏知見。使得清浄故。出現於世。
 欲衆生。仏知見故。出現於世。欲令衆生。悟仏知見故。
 出現於世。欲令衆生。入仏知見道故。出現於世。舎利弗。
 是為諸仏。唯以一大事因縁故。出現於世。

諸仏世尊は、衆生をして仏知見を開かしめ清浄なることを得せしめんと欲するが故に、世に出現したもう。衆生をして仏知見を示さんと欲するが故に、世に出現したもう。衆生をして仏知見を悟らせめんと欲するが故に、世に出現したもう。衆生をして仏知見の道に入らしめんと欲するが故に、世に出現したもう。舎利弗、是れを諸仏は唯一大事因縁を以ての故に世に出現したもうとなづく。

この四仏知見は、一仏乗の法を三つの教えに開いて蔵教・通教・別教として示し、空・仮・中の三諦を悟らせ妙法蓮華経の一心三観へと入らせるという仏の智慧が説かれております。日蓮聖人がこの部分を『御義口伝』の「第三 唯以一大事因縁の事」の中で次のように述べておられます。

「此の大事を説かんが為に仏は出世したもう 我等が一身の妙法五字なりと開仏知見する時・即身成仏するなり、開とは信心の異名なり信心を以て妙法を唱え奉らば軈(やが)て開仏知見するなり、然る間信心を開く時南無妙法蓮華経と示すを示仏知見と云うなり、示す時に霊山浄土の住処と悟り即身成仏と悟るを悟仏知見と云うなり、悟る当体・直至道場なるを入仏知見と云うなり、然る間信心の開仏知見を以て正意とせり、入仏知見の入の字は迹門の意は実相の理内に帰入するを入と云うなり本門の意は理即本覚と入るなり、 今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る程の者は宝塔に入るなり云云、又云く開仏知見の仏とは九界所具の仏界なり知見とは妙法の二字 止観の二字 寂照の二徳 生死の二法なり色心因果なり所詮知見とは妙法なり九界所具の仏心を法華経の知見にて開く事なり、爰を以て之を思う に仏とは九界の衆生の事なり」

直至道場とは、「直達正観」と言いまして瞑想や禅定をするまでもなく直ちに即身成仏することを言います。私達の身にあてはめるなら御本尊と境智冥合した当にその体こそが当体蓮華の入仏知見となります。

南無妙法蓮華経と唱え奉る者は『法華経』で説かれる真如の「七宝塔」に入ることであり、「開仏知見の仏」とは九界所具の仏界であり、「知見」とは妙法の二字、止観の二字、寂照の二徳、生死の二法であり、色心因果であり、所詮知見とは妙法をみることであり、九界所具の仏界を法華経の知見にて開く事であると言われております。

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