「三転法輪」は蔵教の声聞・通教の縁覚・別教の菩薩といった三乗に対する説法で円教が最後に加わって智顗が『魔訶止観』の中で説く「四門の料簡」の16観法の相が顕れます。
<蔵教で三徳を説く釈迦(劣応身仏)>--- ①
「仮」資成得顕名為解脱 (解脱)
「空」観照得顕名為般若 (般若)
「中」真性軌得顕名為法身(法身)
<通教で三法を説く釈迦(勝応身仏)>--- ②
「仮」資成軌が仮諦如来蔵 (仮諦)
「空」観照軌が空諦第一義空 (空諦)
「中」真性軌が法性中道第一義諦(中諦)
<別教で三身を説く釈迦(報身仏)>--- ③
「仮」資成軌即是縁因性(応身)
「空」観照軌即是了因性(報身)
「中」真性軌即是正因性(法身)
<円教で十如是を説く釈迦(法身仏)>--- ④
「仮」資成軌が功徳善行(相)--- 仮一切仮
「空」観照軌が般若観智(性)--- 空一切空
「中」真性軌が実相諦理(体)--- 中一切中
十如是は円教である『法華経』に至ってはじめて明かされる法門ですので、智顗は三乗の教えを別相の「次第三観(別相三観)」として相待妙としての「三種・三観」を立てます(①~③)。その九項目に開かれた別相三観をベースとして、円融の「通相三観」④が絶待妙として起こります。
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