この四諦の「三転法輪」は、初転法輪・中転法輪・後転法輪と呼ばれ、初転法輪は声聞乗に対して、中転法輪は縁覚乗に対して、後転法輪は菩薩乗に対してそれぞれ説かれます。この四諦がなぜ3回繰り返し説かれるのかという事は、『法華経』の開三顕一の理論と同じで声聞・縁覚・菩薩といった三乗のそれぞれの機根に応じて四諦が説かれて行ったのではないかという事が経文の内容から読み取れます。
天台智顗は『勝鬘経』と『涅槃経』を根拠として「四種四諦」の教義を顕しますが、これは四諦の「三転十二行相」とおしらく深く関わってくるものだと考えられます。三回繰り返し説かれる「三転十二行相」ですがそれを説く仏の劣応身・勝応身・報身・法身の四身をくわえますと「四種四諦」となるからです。そして智顗はこの「四種四諦」をもとに『観無量寿経』の16観法から「四門の料簡」を読み取ったのではないでしょうか。
通報 ...