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安全安心のバリアの中で、小栗は不敵に笑った。
「攻撃が効かない。物体を透過する。なるほどなるほど、それは結構、絵に描いたような強力な性能だ。しかし、俺様のコレクションに比べると、少々単調すぎる。」
小栗は、右手で大地に触れた。
「アクセス──
俺様は、用心深いタチでな。ワープを封じた次の手順──追い討ちする術を、用意していないはずがないだろう。」
突然、巨大イカの体が傾いて、沈み出した。辺り一帯の土壌が、ドロドロの底無し泥沼になったのである。この手の能力は、重量のある巨大なものほどよく機能する。
通報 ...
ナ、ナ、ナ?ななぐー
(ヌァヌァグゥの身体が突然縮小していき、通常サイズの宙に浮く全身白色の人間へと変化した。それと同時に笑い声がさらに大きくなり、一部の兵士たちが手にした武器などで自殺しだした)
なんだこの状況は...まるで、世界の終わりじゃないか...
いったい僕たちに、あれをどうしろって言うんだよ...!
「おい優等生、なに諦めてんだコラ」
地中から、現れた。
グリマー!お前どうやって...そうか、磁力を操って、シェルターを形成したのか。
...しかし、状況は絶望的だ。こっちはあの化け物の情報を何一つ知らない。
「はっ、後手に回るのはいつものことだろうが。俺たちが敵を出し抜けたことなんてあったかよ。
...おいアルビノ野郎、今すぐその肌、真っ黒にしてやらァァァァァァァァ!」
1000ボルトの電撃が、アルビノ野郎を襲う。
ななぐー、ななぐー!
(自殺したはずの兵士たちが突然動き出し、ヌァヌァグゥの盾になって電撃を防いだ)
「悪魔め...お前は絶対に許さない!」
生き残った優秀な飛行部隊の方々は、UFOを乗っ取っていた。
「自分が喚び出した兵器によって殺される、どうだ!化け物に相応しい死に様だろう!?ポチっとな!」
UFOから出たビームが、色白を襲う。
(UFOの攻撃が命中するが、特にダメージを負った様子は見えなかった。)
ななぐー!
(その声とともに、ヌァヌァグゥは誘導レーザーを連射し、UFOを撃墜していった)
最年少の隊員パシフィスト君には、この恐怖劇はショッキングすぎたようだ。涙を流しながら、武器を放りだして、白男に訴える。
「話せばきっとわかり合えるはずだよ!だからっ、もうやめてくれー!」
ななぐ、ななぐー!
(パシフィストにゆっくり歩いて近づくと、触手のような腕を薙ぎ、パシフィストの胴体を切断しようとする)
「っ!」
運動神経抜群のパシフィスト君は、咄嗟に屈んで攻撃をかわした。
「今自分が何をやっているのか、考えてみてほしい!姿形を変えられても、心までは失ってないはずだ!自分の心に問い詰めてくれ!...できるよな?」
ななぐー
(地面から、老若男女、人種も様々な笑顔の人間達が出現し、パシフィストを取り囲んだ)