西暦20XX年、地球は核の炎に包まれた。だが、人類は死に絶えてはいなかった。恐らくたぶん放射線の影響で一部の人類が炎を口から吐いたり手足が伸びたりテレポートできたりすることが可能な新人類へと進化した。ここから嘘これは新人類と化したヨガの達人とその仲間達の長い闘いの記録である。
西暦20XX年、地球は核の炎に包まれた。だが、人類は死に絶えてはいなかった。恐らくたぶん放射線の影響で一部の人類が炎を口から吐いたり手足が伸びたりテレポートできたりすることが可能な新人類へと進化した。ここから嘘これは新人類と化したヨガの達人とその仲間達の長い闘いの記録である。
なんかふわふわしてて草
支援
村人A「ど、どうかお許しを……その鶏は最後の食糧なのです……それを持っていかれると私達は一家全員飢え死にしてしまいます……」
雑貨屋の姫君「無理だな!どうしてもというのならば、泣け!叫べ!そして死ね!」
善良な村人から食料を奪い去るその男の名は雑貨屋の姫君、新人類の一人である。別に髪は赤く染まっていないし三段笑いもしないし月の夜に狂ったりもしない、多分。
村人A「お願いします………どうか、どうかご慈悲を……」
雑貨屋の姫君「ふん、そのまま死ね!」
村人A「そ、そんなぁ……」
雑貨屋の姫君「どうしてもというのなら俺を殺してみるんだな!ま、新人類でもない貴様には無理だろうがな!」
声の大きな男である。このご時世食料は中々手に入らないのだから無駄に体力を消耗してはいけないというのに脳みそが入っているのだろうか?ブラックでジャックな天才外科医にでも彼の頭を解剖してもらいたいものである。
支援
雑貨屋の姫君「さっきから聞こえてんぞ!誰だてめぇは!」
おっと、小声で仲間と話していたのだが聞こえていたのか。まことに素晴らしい地獄耳だ、尊敬するよ。
雑貨屋の姫君「あ゛ぁ!?」
どれどれ、下っ端の下っ端の下っ端ぐらいだろうが少し腕慣らしと行こうか。これ以上またしたら彼が村人になにをするかわかったもんじゃないしな。トウッ!!!
アズマオウ「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと、俺を呼ぶ!聞け!悪人ども!!俺は正義の戦士!アズマオウ!!」
雑貨屋の姫君「そうかい、火に陽に近づく滅亡の日 」ボウゥ
うおぉ、奴の右手から炎が出てきて纏わりついてくる。むちゃくちゃ熱いな。そういやアイツ鶏右手に持ってたよな。やっぱりアイツ馬鹿じゃねぇか。
雑貨屋の姫君「ふん、俺の火に陽に近づく滅亡の日 は炎を右手から出す能力だ。その温度は測ったことが無いから正確にはわからないがこの俺が出した炎なんだから1兆度は越えてるぜ!」
うわ、アイツ真正のバカかよ。確かに死ぬほど熱いというか呼吸困難で死にそうだけどこんな馬鹿に殺されるのは嫌だなぁ…………あ、意識がとん、でい、きそ――――
バタリ
雑貨屋の姫君「クククク、フハハハハ、ハーッハッハッハ!! 」
教科書通りの三段笑いをする雑貨屋の姫君、それもそうだ。なぜならアズマオウと言えば我らがネスツの幹部すらも殺しているようなやつを下っ端の下っ端の下っ端の下っ端の下っ端の自分が殺せたのだから昇進間違いなしだろう。彼の脳内では酒地肉林の夢を描いているに違いない。
雑貨屋の姫君「俺が!俺が!この俺が!アズマオウを殺したんだ!殺してやったんだ!」
満足したようで大変よろしい。恐らく彼は今人生で一番の絶頂にいるだろう。では今度は人生で一番のどん底まで突き落としてやろうではないか。
アズマオウ「あーあー、大変元気なことは宜しい事だが誰が誰を殺したんだって?」
雑貨屋の姫君「決まってるだろ!俺が!アズマオウを!殺したんだよおお!ってはああああああああ!?て、てめぇはアズマオウ!?なんで生きてやがる!?」
アズマオウ「はぁ~、なんでそんな簡単なことも分からないのかな?私だって新人類だぞ?能力の一つや二つ持っている。一つしかないがな。」
雑貨屋の姫君「はあああああ!?大人しく俺に殺されとけよ!糞がああ!火に陽に近づく終焉の日 ァァァ!」
馬鹿の一つ覚えか。最近の若者は切れやすくて困る。
アズマオウ「やれやれ、黒の他人 。」
雑貨屋の姫君「な、に?炎が出ない、ぞ?」
まだ理解できないのか。愚鈍にもほどがある。ハツカネズミですら学習するぞ。
アズマオウ「では教えてやるが君の本来の能力は火に陽に近づく終焉の日 なんて大それた能力ではないぞ、君の本当の能力は神の後光 、その名の通り目くらましの能力だ。」
だんだん声が小さくなっていっているな。まあ面白いからいいとしよう。
雑貨屋の姫君「で、でもならなんで俺は―――」
アズマオウ「ちなみに俺の黒の他人 は他人の記憶を操作する能力だ、少し君の脳を弄って君の能力の認識を少し変えただけさ。」
雑貨屋の姫君「こ、ここ、こここ、この糞野郎がああああああああああ!」
ふむ、威勢はいいな。だが――――
アズマオウ「存在自体が悪すぎる、輪廻転生してまた挑みなさい。」
パァン
ドサァ
銃で撃ち抜けば死ぬ程度の人間じゃあ私は倒せないな。
某所
アズマオウ『存在自体が悪すぎる、輪廻転生してまた挑みなさい。』
パァン
スクリーンに映し出されるその映像を見る4人の男女。
6-6-7「彼についてどう思いますか、にゃおたん?」
にゃおたん「彼、とは雑貨屋の姫君の事かね?それともアズマオウの事か?」
アポかど「ふん、ボケが始まったか?にゃおたんよ。雑貨屋の姫君なんて小物の事を何故問う必要があるというのだ?」
オサボリマン「おっと、仲間割れはそこ等で終わりにしておきな。それよりアズマオウの能力、黒の他人 について話し合おうではないか。」
彼らはネスツ四天王、【三択問題 】6-6-7、【限定空間 】にゃおたん、【ノックスの十戒 】アポかど、【ヴァン・ダインの二十則 】オサボリマンだ。
6-6-7「ええ、そうですね。それにしても記憶を改変できる能力ですか……非常に強力な能力だとは思いますね。私やアポかどの様な強制系能力の新人類だと予想されていましたがまさか身体強化系能力の新人類だったとは驚きですね。」
オサボリマン「だが奴の能力が本当に記憶の改変だと決まったわけではない。ブラフの可能性の方が高いぐらいだ。」
アポかど「その時のための良い助っ人を呼んでいる。おい、入ってこい、きときと。」
会議室らしき場所の扉が開き一人の青年が入ってきた。
きときと「はい、【見立て殺人 】のきときと、ただいま参上しました。」
その声と同時に湧き上がる会議室。
6-6-7「【見立て殺人 】ですって!?まあ本当に【見立て殺人 】だったらどんな相手でも勝てそうですけど本当に彼【見立て殺人 】なの?」
にゃおたん「そうだぞ、本当に彼が【見立て殺人 】だというのなら証拠を見せてほしいものだな」
だが信じる者は誰もいない様子。【見立て殺人 】とは一体何なのだろうか。
きときと「では少し失礼いたします。」
そう言って彼はどこからか斧を取り出しそして6-6-7に向かって振りかぶった。
6-6-7「!?も、もしかして!?ふ、三択問題 !1、その斧で自害する。2、その斧で手首を切り落とす3、その斧を誰もいない方向で放り投げる。」
6-6-7「こ、これで!」
勝ち誇ったようにする6-6-7、だがきときとは自害もせず手首も切り落とさず斧を放り投げることもしなかった。
6-6-7「え!?なんで!?や、止めてよ、お願いだからや、キャアアアアアアアアアアアアア!」
きときとは狂ったように6-6-7に斧を何度も振り下ろす。その行動を40繰り返せば6-6-7だったものの完成だ。
きときと「ああ、なんて私は酷いのだろう。神よ、罪深い私をどうかお許しください」
きときとは神に懺悔をした。6-6-7を殺したことを悔いているのだろう。その証拠に今度はにゃおたんに向かって斧を振りかざした。
にゃおたん「ふん、限定空間 。」
にゃおたん「グハッ!?」
が、きときとの斬撃がにゃおたんを捕らえる。それを41繰り返しにゃおたんだったものも完成された。
オサボリマン「これが見立て殺人 の力か。なるほど、これならアズマオウも殺せるだろうな。これはいい助っ人だ。」
きときと「そう言ってくれるのは真にうれしい事です。それでは行ってまいります。」
きときとは扉から退出しバイクを走らせた。
今の雇い主の命令をこなす為に、アズマオウとやらを見立て殺人 する為に。
どこかの森の中
アズマオウ「ふむ、道に迷ったようだな。」
鬱蒼とした森の中で途方に暮れる私、出ようと思えば出れるがそれは使いたくない方法なのでどうしようもなくなった時にしか使いたくない。そうなればどう出るか。
きときと「お困りの様ですね?」
アズマオウ「誰だ、貴様は。」
茂みの中から一人の青年が現れた。
きときと「私はきときと、この森の案内人です。」
アズマオウ「ほう?ならば案内してもらおう、ちょうど迷っていたところなのでな。」
少々怪しいが黒の他人 を使えば大丈夫だろう。
アズマオウ「どれくらいでこの森からは出られるんだ?」
きときと「そうですね……ここからだと30分ほどでしょうか?」
思ったよりも深くはなかったようだ。かれこれ二日は歩き通しだったのだがな。
そして今気づいたが彼は鼻歌を歌っているようだ。恐らくとおりゃんせであろう。もう少しテンションの上がる曲にしてほしいものだ。私はultra soulでも歌うかな?
~2時間後~
アズマオウ「な、なあ?かれこれ二時間は歩いている気がするのだが?」
きときと「そうですね、そろそろいいですか。There was a man,a very untidy man!」
きときとが何処からともなく両手剣を取り出しアズマオウに切りかかる。その攻撃をアズマオウはぎりぎりで躱し5mほど距離を取った。
アズマオウ「ふん、やはりお前は見立て殺人 のきときとか。この森から私が一切出られないのはとおりゃんせを見立てているのだろう?」
きときと「おやおや、私の能力の事まで気が付いていましたか。確かに私の見立て殺人 は歌の歌詞を見立てて人を殺す能力です。そして今見立てている歌はThere was a man,a very untidy man 、です。貴方はバラバラになって死ぬのですよ。」
強制系の新人類か。だが!
アズマオウ「強制系の新人類は総じて防御力は低い!」
バンバンバン
至近距離での拳銃の三連射、身体能力強化系の新人類でも避けることはたやすくはないだろう。その証拠に彼の眉間、心臓、左足首に銃弾が命中した。
アズマオウ「ふう、めんどくさい敵だったな。」
きときと「やれやれ油断しきっていませんか?強者の余裕という奴なのかもしれませんが慢心しては勝てる戦も勝てませんよ?」
アズマオウ「なに!?」
ザシュッ
きときとの斧での斬撃で右腕が切断される。やれやれ、何度経験しても腕が無くなるのだけは勘弁したい。おっと、これが初めてだったか?
きときと「言いましたよね?私の能力は見立てて殺す能力、そして10人のインディアンという曲をしっていますか?こういう歌詞の曲です」
Ten little Indian boys went out to dine;
(10人のインディアンの少年が食事に出かけた)
One choked his little self and then there were nine.
(ひとりがのどを詰まらせて、9人になった)
Nine little Indian boys sat up very late;
(9人のインディアンの少年がおそくまで起きていた)
One overslept himself and then there were eight.
(一人が寝過ごして、8人になった)
Eight little Indian boys travelling in Devon;
(8人のインディアンの少年がデヴォンを旅していた)
One said he'd stay there and then there were seven.
(一人がそこに残って7人になった)
Seven little Indian boys chopping up sticks;
(7人のインディアンの少年が薪を割っていた)
One chopped himself in half and then there were six.
(一人が自分を真っ二つに割って、6人になった)
Six little Indian boys playing with a hive;
(6人のインディアンの少年が蜂の巣にいたずらしていた)
A bumblebee stung one and then there were five.
(蜂がひとりを刺して、5人になった)
Five little Indian boys going in for law;
(5人のインディアンの少年が訴訟を起こした)
One got in Chancery and then there were four.
(一人が裁判所にいって、4人になった。)
Four little Indian boys going out to sea,
(4人のインディアンの少年が海に出かけた)
A red herring swallowed one and then there were three.
(一人が燻製のニシンに飲まれ、3人になった。)
Three little Indian boys walking in the zoo;
(3人のインディアンの少年が動物園を歩いていた。)
A big bear hugged one and then there were two.
(大熊が一人を抱きしめ、2人になった。)
Two Little Indian boys sitting in the sun;
(2人のインディアンの少年が日向に座った)
One got frizzled up and then there was one.
(ひとりが陽に焼かれ、一人になった。)
One little Indian boy living all alone;
(一人のインディアンの少年は一人ぼっちで暮らしていた)
He got married, and then there were none.
(彼が結婚し、そして誰もいなくなった)
きときと「私は自分自身にこの歌を見立て殺人 しました。結果、私は10回殺さないと完全には殺せませんしその中に窒息死、毒死、圧死、焼死、慙死が無いと死にません。」
なるほど、だが私の黒の他人 の本来の能力の前には塵にも等しいな。
アズマオウ「それでは試してみよう、本当に9回死なないのかをな。」
バンバンバン
銃弾を避けるそぶりすらしないきときと、今回は相手に敗北を与えるために心臓だけを狙って銃弾を放った。勿論、それはきときとの命を奪うにふさわしかったようだ。
きときと「ガハッ!?な、何故だ!?10人のインディアンが発動しない!?」
アズマオウ「貴様は知らないようだな、私の能力の事を何一つも」
きときと「嘘だ!知っているぞ!貴様の能力は記憶の改変だと自分でも言っていただろう!」
アズマオウ「フェイク、だとは思わないのか?私の能力、黒の他人 の本当の力は過去の改変、と言っても大きな影響は与えられないがね。まあ、これを使って10人のインディアンを唄ったことをなかったことに改変したのさ。」
きときと「そ、そんな!?」
アズマオウ「わかったらさっさと死ね。貴様程度の新人類は朽ちて大地の栄養となれ。」
バン
きときとの眉間を一発の銃弾が撃ち抜ききときとの命を刈り取った。