桜門体育学会第11回大会用掲示板 検索除外

O1-7 馬淵皓大 コロナ禍に立ち向かう―運動習慣がレジリエンスを高める可能性―

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桜門体育学会事務局
作成: 2021/01/12 (火) 14:07:43
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三井萌(日本大学商学部商業学科) 2021/01/21 (木) 18:44:14 b300e@ae21c

発表拝見させて頂きました。質問なのですが、運動強度によって資質的レジリエンスに与える影響はどの程度変化するとお考えですか?

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馬淵皓大(日本大学商学部会計学科) 2021/01/22 (金) 22:21:13 94a59@fce7d >> 1

三井さん

ご質問ありがとうございます。
以下の通り,回答させていただきます。

運動強度が資質的レジリエンスに与える影響は,小さいものと思われます。
なぜならば,高野・菅野(2018)は,資質的レジリエンスに影響を与える運動について,「一日に行う運動の強度や時間よりも日常的に体を動かすこと」の重要性を指摘しているからです。
しかしながら,運動習慣が形成されている状況において,その習慣のなかで実施される運動の強度や種類(ストレッチや有酸素性運動等)が資質的レジリエンスに与える影響については,検討の余地が残されているように思われます。
今後,さらに調査・検討を進めたいと思います。

馬淵皓大

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平木貴子(日本大学経済学部) 2021/01/21 (木) 20:56:10 04d56@01e01

日本大学経済学部の平木です.
2点質問させてください.

・図3についてですが,資質的レジリエンス(図2)をさらに因子ごとに運動習慣形成群・運動習慣未形成群で比較したところ,「統制力」「行動力」で差がみられたという理解でよろしいでしょうか?
・本研究での課題はどのような点だと思われますか?また,今後,本研究を発展させていくためにどのような検討が必要だと思われますか?

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馬淵皓大(日本大学商学部会計学科) 2021/01/23 (土) 00:31:11 94a59@fce7d >> 2

平木先生

ご質問ありがとうございます。
それぞれについて回答させていただきます。   

①前者の質問について
因子ごとに両群の比較は行っていません。今回使用した尺度のマニュアル(日本パーソナリティ心理学会)に,「統計的な検討を行う際には因子レベルよりも2つの下位尺度レベル(資質的要因/獲得的要因)で用いるのが望ましい」と記されていたためです。
そのようななかにおいて,運動習慣が資質的レジリエンスの「どの因子」に影響を与えるのかについて考えました。様々な文献を見ていくなかで,運動で不安は軽減されること(青木,2002),不安を抑制する効果をもつ因子として「統御力」と「行動力」が挙げられること(平野,2010)に着目しました。これらのことから,運動習慣が不安を抑制する過程において,資質的レジリエンスを構成する「統御力」と「行動力」が高まっている可能性を考え,それを図3のように「見える化」することを試みました。

②後者の質問について
課題はいくつも挙げられます。例えば,本研究の実験参加者は大学生のみである点です。つまり,小学生や高齢者等といった他の世代の方に当てはまるのかどうかはわかりません。また,本研究の運動習慣は,3か月以上(水野ほか,2004)と定義づけていますが,それよりも短い期間における習慣的な運動の実施が資質的レジリエンスを向上させるかどうかはわかりません。これらのことについて,今後,調査・検討する必要があると考えています。
本研究を発展させるために必要なことは,運動習慣がない人が3か月以上の運動習慣を形成した場合に,資質的レジリエンスが高まるかどうかを実証することだと考えています。「資質的レジリエンスは後天的に変化しないわけではない」(平野・梅原,2018)と指摘されています。本研究でいう運動習慣未形成群のような人たちに運動を習慣化させ,資質的レジリエンスに変化があるのか検討することにより,「運動の習慣化」の重要性をよりいっそう社会に広めていきたいと考えています。

馬淵皓大