ににんがし

【にあさん&ミューたん】

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myeongsa_chori
作成: 2021/03/01 (月) 00:02:34
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168
ミューたん 2021/03/20 (土) 23:47:16

しよう!

169
にあさん 2021/03/20 (土) 23:47:36

想いが積み重なった状態の方が、「うらぎりもの」が映える。現状、うらぎりもののとこで流れが途切れてる

170
ミューたん 2021/03/20 (土) 23:48:19

《傘はささないで》

密会の欠片をひとつくださいな
本当は愛もほしいけれど、それだけは我慢しますから
電気料金未納の紙が恋心を阻む
あなたとあたしを繋ぐのは、雨粒よりも柔らかい糸

あわいあかりに照らされた
かわいたあたし
他意のない"かわいい"にすがっていた
他愛のないあたし

蛇口を大きく捻って、浴槽を満たす
カトラリーは端っこから使うこと
きれいな言葉のつかいかた
真新しい赤いワンピース
あなたがくれたものぜんぶ

かえさなくていいと頭を撫でて
海と反対の方角を向いて笑うあなた
つたえることすら叶わない淡い想いは
淡麗生のプルトップからしゅわしゅわ溢れて
寒冷前線が雨といっしょに連れ去った

洗面台にイヴ・サンローランの口紅
すり減ってまわらないのに捨てられなくて
枕元のブルガリの瓶からは香りが消えた
雫のかたちのイヤリングは欠けたままで
その空白のぶんだけ想いは重なって

波が砂浜にすがりつくように
阿佐ヶ谷から新宿までをひたすらに往復した
6.8km × 100回より“会いたい”が勝っても
請求書 着信 通帳の残高が
誰よりも雄弁に“会えない”と語っている

うらぎりもの、くちびるだけで呟く
知ってる、二人の間に約束なんてなかったことは

こんな狭い浴槽じゃ足を伸ばすことさえできない
いっそ泡になって消えてしまおうか
しゅわしゅわと
うちがわから順番に手足の先まで
お湯とおなじかたちになるまで
細胞のひとつひとつが
弾けて 溶けきって、透明になるまで

知らない誰かが風呂の栓を抜いたら
排水口から"あたし"が流れ出していく
海に、海に還るのだ

欲しがられなかったあたしは波間から蒸発して
不純物混じりの酸性雨になって
空を見上げるあなたの頬にぽつりと雨粒
跡も残さず流れ落ちる

171
ミューたん 2021/03/20 (土) 23:48:58

うん、高まって浴槽から溢れるくらいの想いが
うらぎりもの、で決壊するって流れの方が綺麗だ。

172
にあさん 2021/03/20 (土) 23:49:54

おっけー、これでいこう。

173
にあさん 2021/03/20 (土) 23:51:32

弾けて 溶けきって、透明になるまで

のあとに空白いれたのもいいね。
ためてためて……流れる! ってテンポが表現できてる。

174
ミューたん 2021/03/20 (土) 23:53:44

えへへ

175
にあさん 2021/03/20 (土) 23:53:50

まって、「知らない誰かが」の「知らない」抜いた方がテンポよくないか。

176
にあさん 2021/03/20 (土) 23:54:26

そのへん修飾少ない方がどっと流れる感じが出るきがする

177
ミューたん 2021/03/20 (土) 23:55:01

そこけっこう捏ねてた
抜こうか

178
ミューたん 2021/03/20 (土) 23:55:25

《傘はささないで》

密会の欠片をひとつくださいな
本当は愛もほしいけれど、それだけは我慢しますから
電気料金未納の紙が恋心を阻む
あなたとあたしを繋ぐのは、雨粒よりも柔らかい糸

あわいあかりに照らされた
かわいたあたし
他意のない"かわいい"にすがっていた
他愛のないあたし

蛇口を大きく捻って、浴槽を満たす
カトラリーは端っこから使うこと
きれいな言葉のつかいかた
真新しい赤いワンピース
あなたがくれたものぜんぶ

かえさなくていいと頭を撫でて
海と反対の方角を向いて笑うあなた
つたえることすら叶わない淡い想いは
淡麗生のプルトップからしゅわしゅわ溢れて
寒冷前線が雨といっしょに連れ去った

洗面台にイヴ・サンローランの口紅
すり減ってまわらないのに捨てられなくて
枕元のブルガリの瓶からは香りが消えた
雫のかたちのイヤリングは欠けたままで
その空白のぶんだけ想いは重なって

波が砂浜にすがりつくように
阿佐ヶ谷から新宿までをひたすらに往復した
6.8km × 100回より“会いたい”が勝っても
請求書 着信 通帳の残高が
誰よりも雄弁に“会えない”と語っている

うらぎりもの、くちびるだけで呟く
知ってる、二人の間に約束なんてなかったことは

こんな狭い浴槽じゃ足を伸ばすことさえできない
いっそ泡になって消えてしまおうか
しゅわしゅわと
うちがわから順番に手足の先まで
お湯とおなじかたちになるまで
細胞のひとつひとつが
弾けて 溶けきって、透明になるまで

誰かが風呂の栓を抜いたら
排水口から"あたし"が流れ出していく
海に、海に還るのだ

欲しがられなかったあたしは波間から蒸発して
不純物混じりの酸性雨になって
空を見上げるあなたの頬にぽつりと雨粒
跡も残さず流れ落ちる

179
にあさん 2021/03/20 (土) 23:56:42

おっけー!!!

180
ミューたん 2021/03/20 (土) 23:57:08

>> 178
最終稿で!

181
にあさん 2021/03/20 (土) 23:57:52

3分前……おつかれさまでした……
めっちゃいいのできた! たのしかった!

182
ミューたん 2021/03/20 (土) 23:58:51

おつかれさまでした!
わかる!この詩大好き!感想もらえるの楽しみだね
組んでくれてありがとう楽しかったー!

183
はったみさと 2021/03/22 (月) 22:58:28

おつかれさまでした。
見せかけだけの色彩が褪せてはじけて流れ去っていく、
寂しい光景のはずだけど、
貧しくも侘しくもなく描かれているのがすてきです!

製作過程、感覚的な共有事項が多くて興味深かったです。

>> 135
>詩人狼村とちがって無限に改行できるのありがたすぎる……
ほんとにそれ。

187
ミューたん 2021/03/24 (水) 21:01:41 修正 >> 183

はったさん、感想ありがとうございます!
そうなんですよね、諦めてはいるけど、憐憫に浸っているわけじゃないというか……。
伝わっていて嬉しいです!

・製作過程
脳直言語でそのまま伝わるのでめちゃくちゃやりやすかったです。

184

お疲れ様でした。
要所に出てくるモチーフにドキッとしながら読ませていただきました。
自身とお互いの感覚を頼ること、それを当たり前のように尊重できること、クリエイションの過程としてとてもいいなあとおもいました。

188
ミューたん 2021/03/24 (水) 21:15:34 修正 >> 184

しきさん、感想ありがとうございます!
ドキッとしますよねー!心象と具象のバランスは程よくできたと思ってて、気に入ってます!

もともとにあさんのセンスは信頼してたんですが
予想よりずっと、しっかり手を繋いだまま走ることができて、自分でも少しびっくりしています。ありがとうございます。

185

おつかれさまです。
製作過程も同時に楽しく拝読させていただきました。

掴みが素敵だなぁ…!
「密会の欠片を~」のリズムも良きだし、「雨粒より柔らかい糸」という表現が好きです。

「かえさなくていい」から「約束はない」し
すり減った口紅、
匂わなくなった香水(人が最後に忘れるのは匂いだそうです)
6.8km×100回の帰路と往路を繰り返したらいくら電車移動が大半でもヒールもすり減りそうだな、と考えていました。
固有名詞が状況だけでなく感覚と心情を綺麗に修飾していて読んでいて楽しかったです。

傘をささないで欲しいのは目に入れるのも難しいような、手に取るのも難しいような透明な糸が絶たれてしまうから。

海に成る、雨に成る、というと一見壮大なんですけど、ひとりぶんの人間の身に当たるものとしては僅かなものなんですよね。

>> 116>> 118の解釈がグッときました。
せめてささやかで淡い執念の表出くらい、あなたに届いてくれたっていいですよね。

189
ミューたん 2021/03/24 (水) 21:24:44 >> 185

りちゃそさん!感想ありがとうございます!
掴みめっっっちゃ素敵ですよねー!まさに掴まれる!
>> 116>> 118はリアタイで最高にテンション上がってました。
せめて傘に阻まれずに届くといいなというほのかな願いです。

186

お疲れさまでした。
アイディアの湧出とその磨き方が見事な、連帯感ある共作で感嘆しました。
空白と句読点の使い分けや""を入れるかも、好みが分かれますし。

めっちゃ主観的な感想なんですが…。
以前観たオムニバス映画で、
他者や幼い内に思い描く「少女」は白いワンピースを着ていて、少女が色々迷いながらも未来を向く時は赤いワンピースを着ていました。その事をちょっと思い出しました。
このこは外界を歩む為の赤いワンピースを、馴れない内に脱いでしまったんだな、と。

あとつい、浦島太郎の丹後國『風土記』(逸文)バージョンのラストを想起しました。海に臨みつつ、地上にいる浦島子(太郎)と常世の国にいる女娘(乙姫様)の間を取り持つのは雲だけだ…という構図だったので。
今はそう見えなくても、姿を変えていく。「あなたの届かない所に行くから」に繋がっていくみたいな、必ずしも恋にやぶれただけじゃない、という気もしました。

191
ミューたん 2021/03/25 (木) 01:20:15 >> 186

山口さん、感想ありがとうございます。
"ダブルクォーテーション"好きなんですよねー!
今回だと、かわいい、会いたい、会えない、あたし。
どれもありふれた言葉ですが、記号で括ると特別になる。「この言葉は特別だから、意味を考えてね」って読む人に語りかけるみたいな気持ちで使ってるかもしれないです。
ただ、手品の種明かしになりかねないところはありますよね。さりげなさからは離れちゃうので、好みかなぁと。やっぱり、私は好きですが笑

主観的な感想大歓迎です!
赤いドレスの解釈、素敵です。赤は大人の女性というイメージで選んだ色です。(主人公、夜のお仕事をしているので)
映像作品では、服の色で心情を表すことがよくありますね。最近だと麒麟がくるとか。そういった視覚的な効果を詩でも出すことができれば面白いなと思います。

『風土記』恥ずかしながら未読で、浦島太郎と乙姫が雲で繋がっているというのも初耳でした。
今回の詩とモチーフが似ていますね。こっちは人魚姫ですが。そんな昔の人と思考がかぶってるとは……!ワクワクしますね。
・あなたの届かない所に行くから
彼女が未練を残しつつすがっていないのは潔くて、存在ごと消えることを選んでいるにもかかわらず、少し前向きな選択にも思えますよね。爽やかさの残る終わり方になったのはそのおかげかもしれません。

192
ミューたん 2021/03/25 (木) 02:16:02

>> 80>> 81>> 82>> 83>> 84>> 85
この思考好きです。
そしてこの後「浴槽を(さらに)満たすため」

≫ 洗面台にイヴ・サンローランの口紅

からの連が加筆される。
口紅、香水、イヤリング、空白たち。
ないもので浴槽を満たそうという発想がスッと出てくるところ、好き。
にあさんはこういうアイロニカルな描写がうまいんだ。

193
かとうゆか 2021/03/25 (木) 05:44:50

すごい!!相談している過程も面白くフィクションや小説を書いたことない私にはまったくついていけない会話で、すごい具体性を伴う描写力ながらの非現実的な出来事で、創作過程を先に読んでいたのに、もしかして実話が背景にあるんじゃ…どんな事情の恋愛なのかしら、など、考えさせられてしまうのが楽しかったです!
もうちょい作品内でネタバレしてくれるか、映像を伴って表現されたら、もっと素直に引き込まれそうです。

198
ミューたん 2021/03/31 (水) 12:58:36 >> 193

ゆかさん、感想ありがとうございます!
実話かもと思ってもらえるほど、感情を揺さぶれたならうれしいです。

どこまで説明するかは難しいところだよなぁと思っています。
私は詩を書く時にけっこう設定から入るタイプなので、どの角度から、どこまで、というのは悩むことが多いですね。
例えば彼と2人の会話など入れてみたらまた違う手触りになったかなとは思いつつ…あまりくっきりさせると小説的になってしまうのかなーとは思ってましたね。(なんとなく、にあさんも同じ方向向いてる感覚はあり)

映像が浮かぶ表現はもっと勉強したいですねー!
ありがとうございます!

194

お疲れ様です。

設定がメルヘンながらも生活感のある表現がされているところが面白かったです。非現実的な儚い設定とぷんぷん生活臭の漂う言葉の表現に挟まれて、詩が虚構とリアリズムの間でふわふわゆれているように感じられて面白かったです。

199
ミューたん 2021/03/31 (水) 14:58:02 >> 194

町田さん
ありがとうございます!
淡麗生が出てきたあたりで、生活感のある人魚姫にしようという方向性が定まった気がしますねー。
にあさんの
 洗面台にイヴ・サンローランの口紅
から始まる5連目が出てきた時、ぐっと現実味が増したなー!と思いましたしとても好きな部分です!
現実の一歩先は別世界みたいなのが好きなので、表現できてたらいいなと思います。

195
クノタカヒロ 2021/03/29 (月) 13:52:10

遅まきながら、やりとりと作品を拝見させていただきました。以下、◎感想です。

◎アイコンの画像を変えたり、太字にしたり返信や引用を駆使したり、とおふたりのやりとりを見て「この場でこんなこともできるんだ」と数々の学びをいただいたことを想い出します。それが手慣れたものなのか、このたび覚えたものなのかは分かりませんが、その技術は自分のような素人にも多くの示唆を与えてくれました。あたかも現実の世界で会話しているような書き込みや相づち。その「距離の近さ」は今後のリモート世界を生きていく上でもとても参考になるものだな、と(技術があれば、いつでも、どこでも、誰かとやりとりができるのかもしれません)
出来上がった作品についても、前半に登場した数多の「固」有名が、文字通り「溶けて」「消えて」いくさまが、とてもテクニカルですね。「排水口から"あたし"が流れ出して」「海に還」ったあとで、再び「あたし」が姿を現したのは何か狙いがあるのかなとも思いつつ。

お二人とも、お疲れさまでした!

200
ミューたん 2021/03/31 (水) 19:10:47 >> 195

クノさん
ありがとうございます!
アイコンは、右上のログインからTwitterでログインというのが選べて、Twitterのアイコンが反映されているようです。
こちらの掲示板を使うのは初めてですが
choriさんの企画されている詩人狼村も、掲示板を使うゲームなので、タグなど一部登録していたものが使えましたね。

リモート世界はそうですね。心理的にはとても近い距離でレスポンスできたなと思っています。

テクニカルとほめていただいてありがとうございます。感覚頼りですが。
"あたし"については、お湯に溶けたのは固体としてのあたしです。
泡になって排水溝に流れ出した後もあたしは存在しているという考え方でした。
海に還って、蒸発して雲になって、またあなたのもとに降ってくる。あなたは気づくことすらないけれど…というストーリーですね。

読み込んでくださってうれしいです。感想ありがとうございました!

196

お二人ともお疲れ様でした。
寂しい詩のはずなのに
どこかColorfulなのは
お二人の描いた描写のせいでしょうか。
時折、顔を出す泡の音であったり
ブランドの名前だったり。
自由奔放に生きている感じを
そこに見たからでしょうか。

201
ミューたん 2021/03/31 (水) 19:19:32 >> 196

ユタカBさん
おつかれさまでした。
しゅわしゅわ、ってかわいい響きですよね。
最近気づいたのですが私は擬音が好きみたいで、詩の中でよく使います。
ひとつの恋の終わりで、寂しいお話ではあるんですが、あまり悲壮感はないですね。
個人的には恨みます…みたいな粘着質な恋もけっこう好きですが、この詩の読後感は気に入ってます!ありがとうございます。

197

お疲れ様でした!
ロマンティックな感じに出来上がっていて、素敵だと、思います。
いい感じです。