商人の力
アラビア半島西部は、アジアとヨーロッパを結ぶ交通の要地。この地域では、商人が力を発揮していました。
宗教
このころは、偶像崇拝(ぐうぞうすうはい)の多神教が伝えられていたのです。
ムハンマド(570年ころ~632年)
570年ころにメッカで生まれました。幼くして両親をなくし、祖父と叔父に育てられた彼。そして、商人となりました。彼が40歳ぐらいのとき(7世紀前半)、神(アラー)の啓示を受けます。預言者として活動を始めるのですが、迫害を受けてしまいます。彼が52歳くらいのときに、メジナに移り住みます。そして、60歳くらいになったとき、メッカを奪回したのです。632年にメッカ巡礼を終えた彼は体調を崩し、亡くなってしまいました。
唯一神のアラーへの絶対服従を唱え、多神教を排他する、これが、イスラム教のはじまりです。
イスラム教
経典はコーランで、信者の生活、政治、経済活動まで規定されています。
この「コーラン」の意味は、「読むべきもの」。
征服と商業活動をすることで、アラビア半島から西アジア、東南アジア、北アフリカ、イベリア半島へと広がっていきます。この宗教活動の影響から、地中海とインド洋を結ぶ商業活動をしたのが、このイスラムの商人たちでした。
イスラム世界
イスラム世界といえば、サウジアラビア、イラン、イラク、トルコ、アフガニスタン、エジプトなどをいいます。
サウジアラビアの国旗
サウジアラビアの国旗には、「アラー以外に神はいない。ムハンマドはその使徒(しと)となった。」(コーランの一節)が書かれています。描かれている剣(つるぎ)は、守護、旗の緑色は、イスラム教を表しているそうです。
神戸ムスリムモスク
モスクは、礼拝所のこと。
神戸ムスリムモスクは、日本で現存する最古のモスクだそうです。1935年に完成したそうです。
この建物は、イスラム教徒であるインド人貿易商が中心となって、建設したそうです。神戸市中央区北野にあります。
1階は男性、中2階は女性が礼拝する場所になっています。窓にはオレンジ色のステンドガラスがはめ込まれ、天井にはシャンデリアがあります。床には赤いじゅうたんが敷かれており、「アラーのほかに神はなし」とアラビア文字でメッカの方向の壁に書かれています。
カーバ神殿
サウジアラビアにある神殿。イスラム教にとって最も神聖な場所。
ここで、イスラム教徒は、毎日、メッカに向かって礼拝をします。
メッカ巡礼は、決められた期間に決められた方法で行います。巡礼のなかでも、最重要視されているものです。
ちなみに「カーバ」とは、立方体の意味です。この神殿には、4つの柱であるミナレットがありますが、これは、礼拝のときを告げる柱なのです。
今日は、この辺でおしまいにしましょう。次回まで、さようなら。
次回は「十字軍」についてです。