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哲学的雑談 / 11

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詠み人知らず 2019/07/15 (月) 02:22:59 修正 >> 10

LETの記憶がないので「またその説明させるの?」とか「前回と言ってること違うぞ!」とかあるかもしれないけど、今回の話を聞いて俺の頭に浮かんだ関連ありげなピースを(パズル形式は無視して)雑に並べてみる

  • 人間は言語を習得することで様々な事象の概念化に成功した
  • 罪や禁忌などの感情もそのとき生まれた
  • 人間である以上は、その罪の意識と向き合って生きていかなければならない

つまり、もし仮にある日とつぜん地球上の全人類が言語を忘却したら、争いや暴行や殺人などの件数が増えたとしても無秩序というわけではなくなる
あるいは、言語を忘却するのではなく、逆に活用しまくって概念化をトコトン突き詰めていくことによっても無秩序化を抑止することはできる

・・・ってことかな?
確かに一理あると思う

マルチリンガルの人は、話せる言語の種類と同じ数の人格を持つ多重人格者だということが社会言語学的に判明してたりもするしな
例えば「侘び寂び」なんてのは日本特有の概念で、英語にはそれに該当する言葉が存在していない
英語で書き表すならsimple and emotionalとかになるんだろうけど「感情的な質素さ」と言われてワビサビのイメージを想起することは、けっこう無理がある
英語話者が「真の侘び寂び(Wabisabiではない)」を概念レベルで理解するためには日本語を習得するしかないのかもしれないし、われわれ日本人がangerとfuryとrageの違いに戸惑うのに似ているかもしれない

というわけで

ちなみにペイフォワードなら5億回は観た。いい映画だよね・・・
ジム・キャリー主演の『イエスマン』もかなりペイフォワードチックな内容で、すこぶる心が洗われるよ


また、西洋の神話になぞればアダムとイヴに紐づくのかもしれないけど
仏教的に言えば「禅と悟り」を原罪からの脱却と捉えることが出来そうだ
※仏教的には原罪なんてないけれどね

座禅して
ひたすら集中して
心の中を無にして
悟りをひらく

これってつまり「意識をアニマル(アダム&イヴ)レベルにしましょう」ってことなのかもしれない


と、ここまでは宗教に敬意を払って弁神論っぽい姿勢を見せておきながらも、宗教的な寓話について俺はかなり懐疑的な考えを持っていたりもする
語弊を恐れず言ってしまうならば『時代遅れ』感が拭いきれなくなってきている

宗教の起源ってのは、未知の出来事を理解するために生み出されたものだと近代では言われるようになってきている
火山の噴火だとか洪水だとか落雷だとか流行り病だとか、そういう理解できない出来事について
西洋風に言えば『神の意志、神が与えた試練』ってな感じで
東洋風に言えば『ばちが当たった』といったところだろう

「なぜ空は青いの?」
「なぜ地球は丸いの?」
「どうしてぼくは生まれてきたの?」
「なんでホタルすぐ死んでしまうん?」
少し知恵を持ち始めたこともは、好奇心を爆発させて「なぜ?どうして?」と色んな事を知ろうとするわけだけど
当時の人たちは今の俺たちからすると子供のようなもので、そういう人たちに向けた『子供向けの説明』こそが宗教的寓話の役割なんだ
未知を排除することが主目標で、可能な限り解明された事実を述べはするものの、未解明の部分についてはその場しのぎの納得で誤魔化している
人々が不安になってしまわないようにね

あなたが生まれたのは神の意志である
あなたが病気を患ったのも神の意志である
病気が治ったのも神の意志である
医者が頑張ったからだって?その医者と巡り会えたのは神の意志だよ
病気を治せず死んでしまったとしても、それも神の意志だ

うん・・・

アメリカで小さな子供たちを対象にとある実験が行われた
Q.この湖は波ひとつ立たない静かな湖です、どうしてだと思う?
 1.動物たちが安全に水浴びできるように波が立たない
 2.その湖は河と繋がっていないので波が立たない

こういう質問をしたところ、回答に(1)を選ぶ子供が圧倒的に多かった(ナショジオか何かで紹介されてた気がする)
物事には何かしらの理由がある、何かしらの意図が介入していてそうなっている、と無意識のうちに判断する子供が大半だということらしい
また、子供に限らず大人であっても目的論じみた説明のほうがしっくり腑に落ちることも珍しくはないだろう

ということは『未知』の水準を高めればいいのか?
不完全性定理に基づけば、未知の事象が尽きることはない
数学や科学や物理学など自己完結的な論理体系では公理が必要となるため、領域外の全てを説明づけることはできない
『神の意志』を介入させる余地そのものは残るかもしれない


『臨界点』という言葉がある
臨界温度を超えた水は気化するとか、そういう物理学的な意味も勿論あるんだけど
「ある対象が存続するために必要な条件」にも、臨界点があるんだ

フィーリング重視で伝わりやすそうな例を挙げるならこれとかを見ると分かりやすいかもしれない
左右にスライドする台の上に置かれた複数のメトロノームが、やがて完全に同期する現象だ

今回は言語や宗教について話したけれど、言語や宗教にも臨界点というものがあるはずで
アイルランド語なんかは消滅危機言語に指定されていたりもするし、いちど発生したのちに消えてしまった宗教や消える寸前の宗教なんてのも大量にあることだろう
いま世界は空前の無宗教ブーム(?)に差し掛かろうとしている
独自のタイミングで独自のリズムを刻んでいたメトロノームがやがて独自性を失い同期するのと同じように
今のところメジャー扱いされているキリスト教とかも、そのうちアイルランド語みたいなポジションになって、やがては消えていくのかもしれないね


とりとめがなさすぎる感じで色んなこと雑に並べちゃったけど
部分的に拾ったり繋げたりあるいはスルーしたり、自由に利用してくれると助かります

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