なぜか恨まれがち
どうしても認められない奴がいる。
否が応でも蹴落としたい。
手段は選ばない。
粗を探して、バカにできる要素をかき集めて、どうにか陥れたい。
あいつの評判を下げたい。
そんな魂の叫びがネットの隅でこだまする。
過去に何があったのかはわからない。
ただ、わかっていることは、彼が妬み嫉みの感情に支配された暇人であるということだけ。
本当は自分でもうすうす気付いている。
そんな自分が一番惨めで不幸せな人間であるということに。
匿名の仮面の裏に隠された彼の素顔は、あまりに醜く、そして不服そうな表情に満ちていた。
直接自分の言葉を表現することに抵抗があった。
それはなぜか。
それも自分が一番よく理解していた。
相手にそれを知られてはならなかった。
あなたのことを恨んでいる、憎んでいるということがバレたなら、きっとまた嘲笑われてしまう。
毎夜毎晩、そのことを想像しては頭を抱え、そして人知れず怯えていた。
その現実をかき消すように、また一つひとつ悪口を打ち込むのだ。
『嫌いな者のために生きるキミへ』
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