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ゼロサムを超えて ー喧嘩2.0を考えるー / 3

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鉄足のジョニー 2019/11/08 (金) 01:54:11

実はこのトピックのような考えを思い浮かべるにあたって元ネタとなった記事があります。
これは対戦型ゲームがゼロサムを超えるためにどのようなゲームデザインを採ったかを分析したものです。
喧嘩サイトにもこのようなデザインを持ち込めないだろうか?という示唆に富む記述があったので以下に引用します。

例えば「パズルクエスト」の場合、全ての戦闘が必ずプラスの結果になるので手動セーブシステムが無い。戦闘中にアイテムを失う事は無く、戦えば必ず少量のゴールドと経験値が手に入る。プレイヤーは勝とうと負けようと必ず戦闘前より良い状態になっており、それゆえゲームにはセーブスロットが1つしか無く自動でセーブされる。これは伝統的な、負ければ何かを失うデザインではハードコアになってしまうだろう。このシステムのお陰でセーブ/ロードが不要になり、それだけ敷居が下がり、ゲームはより広い層に訴求できる様になった。

パズルクエストなるゲームがどういうものなのかはよく知りませんが、
"プレイヤーは勝とうと負けようと必ず戦闘前より良い状態になる"というデザインが、
結果的にゲームへの参加の敷居を下げて、より広い層を取り込めるようになったという話です。
喧嘩サイトにもこのようなデザインが持ち込まれれば画期的ではないでしょうか?

実はこれに近いことを実現できた喧嘩サイトは以前存在していました。
それは平成喧嘩塾というサイトです。
喧嘩サイトの持つ悪意への耐性が幅広い表現を受け止める自由さとして、カジュアルに自己表現できる掲示板とシナジーを生むことで、相手を貶め合う喧嘩サイトとしての側面を持ちつつも、
書き込めば書き込むほど”何かが起こる”そして”新しい誰かとつながることができる”というインセンティブをもたらしていたのです。
相当にフランクな言い方をするとキ印の受け皿になっていたということです。
ついでに、コンテンツとして”ランキング”を作らずあえて”人物紹介”に留めていたことも勝敗に固執させない土壌づくりに役立っていたのかもしれません。
ただしこれは管理人が相当の時間的コストをかけて、それこそ流入するほぼ全てのユーザーと交流を持ち、
ユーザー間をつなげるためのハブ的役割を担うことで実現されていました。
また、そのようなハブ的役割を担える人物を金HNというシステム(詳しくはこちら)で優遇し、コミュニティをリードさせることで、
誰を中心につながって行けばよいのかという動線設計もなされていました。


ゼロサム方式はやはり強力な道具である。プレイヤーの非常に原始的な感情を呼び起こす事ができるからだ。

上記の引用の通り、喧嘩によって相手の自尊心・評価・価値を貶めることは原始的な感情を呼び起こすと感じますが、
それと同レベルで、つながりを持つことは原始的な欲求を満たす行為です。
それゆえにSNSがインターネットのトラフィックの大半を占め巨大産業化したのでしょう。
喧嘩がゼロサムを超えるために、ユーザー間のつながりを価値の中心に置くことは有効であると言えそうです。

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