kagemiya@なりきり

泥モザイク市 / 95

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>> 87
>> 91
……絡んできた二人が立ち去るのと同時に、いつの間にか『アレ』は姿を消していた。
死んだ筈の『アレ』が何故今更姿を現したのか、気になるが追求する気は起きなかった。
虚無機関が崩壊する前日に、『アレ』は私たち10人それぞれに、密かにこう伝えていた。

『本日を以て君たちに課した宿題の完遂を認めよう。
 無価値の王の名のもとに、君たちの自由を言祝ごう__________さあ、好きに生きるといい』

未だにあの言葉の真意はわからない。まだ何か企んでいるだろう、という予感はある。
それでも、すぐには何かをやらかそうという気配は感じなかった。
恐らく『アレ』は、純粋に私たちだけではどうしようもない彼らの対処に来ただけだろう。
それだけわかればいい。わざわざ『アレ』に_____虚無機関に関わる必要はない。

「……まだ気持ち悪いか?さっさと帰る、キツそうなら遠慮せず言ってくれ」

アズキの腰に手を回し、体勢をしっかりと支え、歩みを再開した。

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