kagemiya@なりきり

泥モザイク市 / 91

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両石閻霧:難波 2019/12/31 (火) 22:51:38

>> 86
「(おや────、あれは)」
踵を返し離れようとした霧六岡が、珍しく目を開いて驚いた。
あれか、あれが此処に来るのか、と。ならば両石めの奴には"早すぎる"と思考した。
>> 87
「そう、薬。といっても自然由来の成分100%…安心できますわぁ」
そのように、恍惚とした下卑た笑みを浮かべながら、アズキに近づく両石。
しかし唐突に、間に割り込んできた"女性"に邪魔をされる。
「あらぁ? なんですか突然…あら、見ると貴方も負けず劣らずな可愛い子ですね。
 んー…彼女よりかは、どちらかと言えば貴方の方が好みかも、彼女らは介抱は十分と言ってますし?
 ではぁ……この後、ホテルとかd────」
そこまで言いかけて、両石は勢いよく唐突に手を引かれた。
「あら? あらあらあら? 何邪魔してくれてるのよ霧六岡ぁ?」
「良いから来い。お前にはまだ早い」
「?」
頭上に疑問符を浮かべながら引きづられる両石。その後、やれやれとかぶりを振って霧六岡は一言いった。
「あれは造物主と同列だ。見ればわかろう」
「……あんたがそう言うなら、そうなんでしょう。あんたは狂気に嘘はつかない」
霧六岡の狂気の形は、刹那主義な善悪への憧憬にある。それはつまり、歪なれど直感が働くという事でもある。
それはつまり、本質を見抜く力を持つという意味でもある。
「わかればいい」
そういって、2人は早足でその場から立ち去った。
「俺たちには"早い"。まだ、な」

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