kagemiya@なりきり

泥モザイク市 / 77

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77

>> 65
「ん?あー……………いや流石にこんな飲めねえ。一、二缶程度だよ」

嘘である。この少女、瓶こそ空けていないものの缶に関しては半分以上飲み切っている。
しかしアカネは(本人は認めないだろうが)気遣いができる人である。自分に向けられた視線に乗せられた感情と、そしてその奥に隠されたアズキの考えを読み取った彼女は、少々言い淀みながらも嘘をついた。
……逆神アカネは嘘をつくのが下手な部類だ。加えて長い付き合いであるアズキに嘘が通じたことは一度もない。
しかし今の彼女は酔っ払い、正常な思考を保っていないだろう。だからこそ言い放った嘘であった。

「……私の勘違いかもしれないけど。一応、一つだけ言っておく。
 酒が飲めないことは、別に恥ずかしいことでもなんでもない。むしろ無理して飲んで酔っ払うほうが恥ずかしい」

アズキと目を合わせず、彼女を運びながら語る。

「私は5
「ん?あー……………いや流石にこんな飲めねえ。一、二缶程度だよ」

嘘である。この少女、瓶こそ空けていないものの缶に関しては半分以上飲み切っている。
しかしアカネは(本人は認めないだろうが)気遣いができる人である。自分に向けられた視線に乗せられた感情と、そしてその奥に隠されたアズキの考えを読み取った彼女は、少々言い淀みながらも嘘をついた。
……逆神アカネは嘘をつくのが下手な部類だ。加えて長い付き合いであるアズキに嘘が通じたことは一度もない。
しかし今の彼女は酔っ払い、正常な思考を保っていないだろう。だからこそ言い放った嘘であった。

「……私の勘違いかもしれないけど。一応、一つだけ言っておく。
 酒が飲めないことは、別に恥ずかしいことでもなんでもない。むしろ無理して飲んで酔っ払うほうが恥ずかしい」

アズキと目を合わせず、彼女を運びながら語る。

「どんだけ豪華なご馳走並べてもよ、美味く食えなきゃ意味がない。
 無理して腹に詰め込んで、後で吐かれでもしたら、食ったほうもそうだし作ったほうだってつらい気持ちになる。
 だから……あー、そうだな。とにかく苦手なモンは断って好きなモン頼めばいいんだよ。雰囲気やら責任感やらに振り回されるなんてお前らしくもねえだろうに……」

>> 71
「……あー、悪いな。こっちは私に任せて、お前も年末年始ゆっくり過ごせよ。
 天王寺じゃあ何かやってるみたいだし、こっちも新年はお祭り騒ぎだからよ」

そう、ぶっきらぼうに返すアカネであった。

>> 74
「……………」

面倒くせぇ、と内心舌打ちするアカネだったが、ギリギリ暴言を吐くことは我慢できた。
ただでさえ隣には今にも吐きそうな少女がいる。そんな隣で騒げば決壊してしまうかもしれない。
それだけは避けねばならなかった。被るであろう自分としてもそうだが、年明け前に彼女に苦い思い出を残させたくないという気遣いの気持ちのほうが強かった。

「……こっちはもう大丈夫だから、あっち行っててくれ」

しっし、追いやるように手を振る。彼女にしては珍しく、穏便にことを解決しようとしていた。

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