アンリエッタ・K/"悪竜"のライダー
2019/12/16 (月) 20:34:04
>> 2
聞き覚えがある大声と爆音が、すぐ近くで聞こえた。
数瞬遅れて無人兵器の破片がこちらにまで吹き飛び、兵器の鉄の体を引っ掻いた。
異形腕で防御しながら、彼女は静かに舌打ちをする。──────あいつしかいない。
「相変わらず、うるさい……」
金属片によって無人兵器が僅かに怯んだところで異形腕を伸ばして建物の屋上を掴み、声のする方へと体ごと引っ張っていく。
声の主の元へ着くと、やはり、というべきか──────そこには、見知った顔があった。
「やっぱりか。何?あんたも同じ依頼で来たの?」
そうして声をかけた瞬間──────
>> 3
突然、周囲の兵器が停止をはじめた。
「──────!?」
故障にしても不自然すぎる。不可解な現象に目を見開きつつ、あたりの原因を探る。
するとただひとつ、家屋の上に、異質なものが立っているのに気付いた。
『何だ?ありゃ。──────おい小僧、あれはお前の同業か?』
姿を見せぬまま、彼女のサーヴァント──────悪竜のライダーの声が、眼下で暴れる少年に問いを投げかけた。
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