kagemiya@なりきり

泥モザイク市 / 3

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爆豪。鈍い殴打音。それらの響く戦場を見下ろす、影がいた。いや、あったというべきか。そも、“それ”が「ヒト」である確証がない。
何と特定し難い何か。“それ”としか言いようがないモノは、家屋の上から、群れる機械へと、ゆっくり体の一部を差し伸ばした。“それ”がヒトであるなら、手を出し、指で指した、という形容が当てはまろうか。
すると……どうであろうか。“指差された”機械達は、突然機能を停止していく。
指差しによる北欧の呪い、ガンドであろうか。否、破壊力を持った呪弾など飛び出していない。かといって、生命なき機械に呪詛は通用しない。
ではハッキングの類であろうか。否。これらの暴走機械は、基本的にスタンドアロンだ。それに対しハッキングをかけることは、できない。
原理不明。その指差しは、魔術を含む如何なる干渉を伴わず、一つ一つ、しかし確実に機械を停止させていく。
……少年、少女へ救援の意志を示すでもなく、“それ”は指差しを続ける。言葉は、当然のようになかった。

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